お知らせ――体を守るためにご一読を 【2023年最新版】

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最終更新日 2021年1月9日

註:お知らせはメールマガジンにも入っています。バックナンバーのページもご参照ください。

1.インフルエンザ予防接種につきまして(2008年11月)

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2.メールマガジン始めました(2009年6月)

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3.新型インフルエンザについて(2009年8月)

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4.ウィーンフィル奏者による室内楽コンサートのおしらせ(2010年9月)

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5.新型インフルエンザの流行、第二波について(2011年1月24日)

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6.地震被災者の方々へ(2011年3月14日)

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7.熱中症や脱水にお気をつけて(2011年6月30日)

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8.東海テレビのスタイルプラスに6月3日、出演いたします (2012年5月23日)

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9.心臓手術後の健康管理のポイントを押さえよう(2012年6月3日)

大震災への対策が今、注目を集めています。心臓手術後の健康管理にも独特な注意点があります。逆にそのポイントを押さえておけばずいぶん安全性が高まります。
大震災のときにこれを覚えておけば安全安心が高まる、という知識を簡略にまとめてみました。皆さんのご意見を戴きながら充実させたく思います。

心臓手術後の患者さんが大震災のとき健康を守る方法

1 機械弁

2 血液透析

3 高血圧症

4 糖尿病

5 不整脈

6 ケガ

7 こころのケア

8 総じて

10.心臓病患者さんのためのノロウィルス対策(2012年12月25日)

ノロウィルスが猛威をふるっています。とくに心臓病の患者さんのために書下ろしました。ご一読下さい。

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11.米田正始の手術を受けられた患者さんたちへ

名古屋ハートセンターで米田正始の手術を受けられた患者さんたちへ

米田正始は平成25年10月から関西へ戻りますが、今後もお役に立てればうれしいことです。
心配なときにはメールやお手紙でご連絡ください

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京大病院心臓血管外科にて心臓や血管の手術を受けられた患者さんたちへ

健康のことでお困りの際にはご連絡ください

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12.かつて狭心症にカテーテル治療(PCI)あるいはステント治療を受けられた患者さんへ

備えあれば憂いなしです

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13.高の原中央病院かんさいハートセンターで心臓手術を受けられた患者さんへ(2015年7月)

絆をいつまでも!ご心配な時、あるいは健康のことでお困りの際にはご連絡ください。当時の外来患者さんの大半は大阪の外来にお越しになっています。

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14.NHK文化センター(大阪梅田、京都、名古屋)にて心臓病の健康講座をやっております。(2015年11月)

これまでの心臓手術と科学的ダイエットの講座も健在です。

15.BLS(一次救命処置)のお勧め

大切な人を守るために、講習を受けましょう!

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16.メルマガで患者さんへの情報発信をしています。

学会などでの発表や活動の報告や、患者さんへのお役立ち情報なども含まれています。

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18.コロナに負けない!

毎日の生活の中でコロナウィルス感染を予防する方法を探ります

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19.ローカーボ食(糖質制限食)研究会 (2023年1月)

糖尿病や脂肪肝、メタボなどを食事で改善しましょう

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心臓手術のお問い合わせは
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 患者さんの声は
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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インフルエンザ予防接種について―心臓病のある方には特に役に立ちます

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インフルエンザが心配な季節がやって来ました

マスクsick_09最近は新型のインフルエンザの出現も懸念されており、心臓や血管の手術を受けられた患者さんや、手術を受けていなくても心臓病をお持ちの患者さん、医療機関さらに社会全体としても注意が必要です。

一般的にはインフルエンザウイルスは熱には抵抗性が弱く、低温や乾燥には強いです。

そのため、お家ではなるべく加湿をして空気が乾き過ぎないようにするのが良いでしょう。外出時のマスクも同じ加湿効果があります。

抵抗力をつけるため栄養のバランス適度な運動も欠かせません。満員電車やデパートなどの人ごみを避けるのが賢明です。ひとごみの中にゴホンゴホンと咳をしているひとがいれば、できるだけ距離をおくのが安全です。インフルエンザのウィルスは咳の中にいますから。

                                                                                                                             .

そのようにできるだけインフルエンザをうつされないようにするのが一番ですが、

バイキンやはりどこからともなくインフルエンザはやって来ます。お子さんやお孫さんの学校からウィルスが来ることもよくありますし。

私たち医療者は患者さんにご迷惑をかけぬよう、積極的に予防接種を受けていますが、心臓手術後の患者さんにも予防接種は勧められます。

                                                                                                                           .

以下にそのポイントをまとめます

図1インフル1.毎年接種する必要があります。残念ですが以前の予防接種の効果はありません。

2.予防接種は1回で64%、2回で94%の予防効果があります。そのため抵抗力が弱い12歳以下や65歳以上では2回予防接種を受けることが勧められますが、一回でも大きなメリットはあります

3.体内に抗体ができるまで3-4週間かかるので、インフルエンザが流行する1月よりも前もって、なるべく12月中旬までに受けるのが効果的でしょう

インフルエンザウィルスはA,B,C型の3タイプがあり、

できるだけそのシーズンの流行を予測した内容の予防接種になっています。

約3000円あまりのお金がかかりますが、インフルエンザの予防接種は十分受ける意義のあることで、患者さんによっては命を救うという結果になることもあります。

                                                                                                                                    .

接種が安全上不適当と考えられるのは以下の方々です

1.明らかな発熱(通常は、37.5度を超える)
2.重篤な急性疾患
3.当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーショック(つまり強いアレルギー反応です)を呈したことが明らかな方

予防接種はある程度お金はかかりますが、受ける意義は大きいです。心臓病の患者さんにはぜひ受けて頂きたく思います

これらにつきましては予防接種を受ける病院や医院でご質問されると良いでしょう。

医師からも適宜確認されます。

定期健診などでお越しの心臓血管外科患者さんには、その際に希望を出して頂ければ健診や検査と併せて予防接種もいたしますので、お申し出ください。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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事例: 大人のPDA(動脈管開存症)

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患者さんは54歳男性。若いころから動脈管開存症PDAの診断を受けていましたが、最近運動時の呼吸困難感や動悸を訴えるようになり、手術の決心をされました。

心臓カテーテルや心エコー・ドップラー検査などで多量の血液が大動脈からPDAを通って肺動脈に流れ込み、心臓に大きな負担がかかっていることが判明しました。

Mpapda成人のPDAはこどものPDAと違って、脆く弱くしばしば石灰化などの変化をきたしているためこどものPDAの手術のように外から糸をかけてしばる、という操作は危険です。

そこで体外循環を用いて、肺動脈の内側からアプローチして肺動脈ごしに閉鎖するのが安全です。

手術では体外循環(人工心肺)のもとで体温を26-28℃程度まで下げ、ごく短時間の軽度低灌流のもと、主肺動脈を切開し PDAを肺動脈側から確認しました。

PDAの肺動脈への開口部は直径6mmあり、多量の血液が大動脈から肺動脈へと流れ込む所見でした。

Pda工夫して体外循環の灌流量をほとんど変えずにPDAを直接閉鎖しました。大動脈から肺動脈への漏れがほとんど無いことを確認して肺動脈の切開部を閉じました。

写真左はすでにPDAを閉鎖したところで、ピンセットの先付近にある布きれのようなものが糸をささえるフェルトで、これらでPDAを抑え込む形で閉鎖したわけです。

大動脈遮断時間は22分、体外循環時間は78分で、スムースに手術を終えました。

Pda_2写真左はPDAを閉鎖完了し、主肺動脈も閉じたあとの姿です。手術前に手でも触れたPDA血流ジェットはもう触れません。治った証拠です。

.

出血も少なく心臓や全身の状態も良好なため、手術当日、余裕をもって抜管(人工呼吸を外れて患者さんご自身の力で普通に呼吸する)しました。

動脈管開存症PDAで手術を決心つかないまま心不全や不整脈が出てきて不安な日々を送っておられるかたは是非ご相談ください。

迷ってそのままの状態でいるほうが危険なことが多くあります。最近もそういう患者さんがおられました。

危険かも知れない状態で迷い、悩むよりも、早く診察を受け、きちんと調べて方針を立てることが安全・安心につながります。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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事例: ペースメーカー三尖弁閉鎖不全症 1

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患者さんは82歳男性。ペースメーカー植込み後、三尖弁閉鎖不全症(逆流)が発生、徐々に悪化し、肝機能も悪化し始めたためハートセンターへ来院されました。

いくつかの病院で三尖弁置換術(長期予後にまだ心配があります)つまり人工弁を入れるしかないと言われ、ペースメーカー友の会やあちこちの病院を探したのちに来院されたのでした。弁形成なら予後が良いからです。

Photo体外循環・心拍動下に右房を切開し三尖弁を観察しました。

三尖弁の後尖と腱索がペースメーカーケーブルに癒着し巻きついて、弁が正しく閉じなくなっていました。(写真左)

そこでペースメーカーケーブルを三尖弁から剥離し自由に動くようにしました。

このとき必要に応じて適宜ゴアテックス人工腱索で腱索を再建します。この患者さんでは人工腱索はきれいに剥がれたため不要でした。

この技術がないため弁置換になるケースが一般には多いと言われています。

Photo_2ケーブルを弁の動きを妨げない場所に格納し、その上で弁輪形成のリングを縫いつけて弁が十分閉じられるようにしました(写真左)。

右心メイズ手術右房縮小手術を行い、手術を完了しました。

術後心エコー・ドップラー検査では三尖弁の逆流は消失し、リズムも長期の心房細動が取れ正常リズムにもどり、心臓の機能は良好になっていました。

また術前心配された肝機能も良く維持され、安全なレベルを維持していました。三尖弁の逆流(閉鎖不全)はほぼ消失し、患者さんは元気になりかつてのような心不全症状も肝臓症状もでなくなりました。ご高齢でしたが年齢を感じさせないほどの回復でした。

三尖弁に対する弁置換術は機械弁・生体弁を問わず、まだまだ長期成績不安定ですので、極力弁形成で対処するのが有利と考えています。

この患者さんのように、上記の技術・方法と僧帽弁複雑形成術の技術ノウハウを併用することで、今後多くのペースメーカー三尖弁閉鎖不全症の患者さんに恩恵が届けばと思います。

これはICD(植え込み型除細動器)やCRTD(両室ペーシングとICDの両方の機能をもつペースメーカーです)の患者さんも同様です。

ペースメーカーの患者さんで体調が思わしくない方はご相談ください。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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第四回患者さんの会のご案内

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患者さんの会の皆様へ

爽やかな季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて以前からご紹介致しております第四回患者さんの会につきまして、止む無い事情のためしばし延期になっておりましたが、世話人の方々とご相談して、1130(日曜日)に開催していただくことになりました。年末が近く恐縮ではございますが、ご参加戴ければ幸いです。

トピックスは「なぜこのお薬を飲むの?」ということで、よく使われるお薬のお話を米田の方からさせていただき、その後自由に(お薬はもちろんその他何でも)質問を頂くという形を考えています。あと時間が許す範囲で「新しい心臓専門病院で患者さんにしたいこと」を予定しています。

なおこれまで参加されたことのない方々も大歓迎です。これまで連絡がつけられず、参加できなかった方とお話する機会がありました。お知り合いの患者さんがおられましたらお声をかけて頂けましたら幸甚です。お問い合わせは米田心臓外科オフィス(電話080-6105-8231)までどうぞ。

それでは皆様のお元気なお顔を拝見できますことを楽しみにいたしております。

 

平成201010

患者さんの会(世話人:全、中村、松岡)、米田心臓外科オフィス

 記

第四回心臓血管外科患者さんの会

場所: 京都祇園ホテル

京阪電車「四条駅」より徒歩約4分/八坂神社近く

京都市東山区祇園町南側555番地
電話: 075-551-2111

日時:20081130(日曜日) 午後1時―4

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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患者さんの会の皆様へのご連絡

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拝啓

猛暑日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか

さて以前からご紹介致しております患者さんの会につきまして、9月20日(土曜日)を予定し、皆様と再会できるのを楽しみにしておりました。ところが、この10月1日に開院する名古屋ハートセンターの開院式が諸般の事情によりやむなく同じ日になってしまいました。副院長兼心臓血管外科部長の私が開院式を欠席するわけにはまいりませんので、まことに申し訳ないのですが世話人の皆様にお願いし延期していただくことにいたしました。

すでに参加の申し込みを頂いておりました方々や以前の会にご出席の方々など、連絡がつく方々にはご連絡させていただいておりますが、この場でもお詫びとともにお知らせ申し上げます。

名古屋ハートセンターが開院する10月からしばらくは、念のため現地にて没頭すると思いますので、患者さんの会は少し時間をおいて11月下旬を世話人の皆様と相談しております。あらためてご連絡およびこのホームページでもご紹介いたしたく存じます。なおその間も、何かご心配あるいはご不安のある方には電話かメール・FAXその他でご相談戴けましたら、これまでどおりお返事その他の対応をいたします。

敬具

平成20年8月14日

米田正始 拝

追伸:暑い季節とくに最近の厳しい暑さには脱水や熱中症対策が役立ちます。
心臓外科患者さんのためのワーファリン情報サイト
http://blog.livedoor.jp/warfarin_cvs/
をごらん下さい。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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プロフィール―より良い心臓手術や治療をあくまで探究します

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最終更新日 2024年9月27日

世界水準の医療も日々の反省と研鑽とチームワークから

紹介文 Profile (運営者情報)

米田 正始 (こめだ まさし)
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医

Masashi KOMEDA, M.D.,Ph.D.

ウェブサイト: https://www.shinzougekashujutsu.com/

メールアドレス: zeek-m@bf7.so-net.ne.jp

本ホームページの内容はすべて米田正始の責任執筆です。内容はEBMつまり根拠に基づく医学のデータを用いていますが、先進的治療でまだEBMデータが一般化していないものについては自身や内外先進施設の最新データを使用しています。

スタンフォード留学中にミラー(D Craig Miller)教授らとご一緒に

福田総合病院 心臓センター長

〒573-1178 大阪府枚方市渚西1丁目18−11
電話:072-847-5752(代表)

詳細はこちら

略歴

1955年2月2日
奈良県生まれ
1973年
東大寺学園高校 卒業

高校時代を過ごした校舎です。若者らしい、熱い仲間が多く勉強になりました。
この校舎は今はもう残っておらず、そこには東大寺の博物館があります

1981年
京都大学医学部医学科専門課程 卒業
京都大学ESSについて)

旧解剖学講堂です。
明治時代の雰囲気を残しています。
ここで勉強していた頃を想いだします
クラスメートや先輩後輩たちは志の高い、かつ優秀な人ぞろいで学ぶことが山ほどありました

1981-1983年
財団法人天理よろづ相談所病院(レジデント(研修医))
1983-1987年
財団法人天理よろづ相談所病院(シニアレジデント・心臓血管外科上級研修医)
1987年
財団法人天理よろづ相談所病院(心臓血管外科医員)
大変パワーのあるチームで研修・勉強から遊び心まで学ぶことができました。三木成仁先生(故人)をリーダーとし、楠原健嗣先生、上田裕一先生、松本雅彦先生(故人)、大北裕先生、田畑隆文先生、神野君夫先生らがおられ、その後も荻野均先生、山中一朗先生、湊谷謙司先生らが修練されました。後年、そのチームから多数の大学教授を輩出したことが、今思えばごく自然なことのように思えます。

天理病院の当時のメインの建物です。ここでシニアレジデント研修を受けました。
外見は歌舞伎座中華風などと呼ばれても中身は充実していました。
ジュニアレジデントつまり初期研修はこの建物の裏側にある別館病棟で受けました。当時の仲間は野武士のような良さをもった実力派が多く生きる知恵を頂きました。また手作り感抜群の問題解決型・一貫研修はユニークで学ぶものが多くありました。今中孝信先生、小泉俊三先生はじめ多くの先生方には大変お世話になりました。

1987-1989年
トロント大学トロント西病院(心臓血管外科上級医員)留学 Toronto Western Hospital, University of Toronto (mentor: Prof. Tirone E. David)

当時のトロント西病院のメインの建物です。
著者の部屋は一番高いタワーのすぐ下にある建物にありオンタリオ湖がきれいに一望できました。見るもの聞くものすべてが勉強になり夢のような充実した日々でした。
心臓血管外科は年間1000例をこなす優れた病院で、まもなくトロント総合病院と合併・移転しました

我が恩師Dr. David。
サンフランシスコでのウェットラボにて、中央はスタンフォード大学での仲間であるDr. Glassonです。

1990-1993年
トロント大学トロント総合病院(心臓外科上級医員)留学  Toronto General Hospital, University of Toronto  (Prof. Tirone E David) (picture above)
年間2000例以上の心臓手術を行い、研究でも恵まれた素晴らしい環境でした。心行くまで仕事に没頭させていただきました。

当時のトロント総合病院の全景です。オンタリオ州会議事堂近くから撮った写真です。右手遠景に見えるのがトロントこども病院です。

1993-1996年
スタンフォード大学<医学部メディカルセンター(上級研究員)留学
Stanford Medical Center

当時のメディカルセンターの正面入り口手前の噴水です。
京都市街の大半がはいるほど巨大なキャンパスの中にある大きな病院で南欧風の開放的な雰囲気でした
臨床と研究と教育のいずれでも抜きんでた施設でした

1996-1998年
メルボルン大学 医学部心臓血管外科 主任外科医 (Staff Surgeon) 助教授
Austin Hospital, University of Melbourne (Consultant, Senior Associate) (Prof. Brian F Buxton) (picture above)

当時のオースチン病院のメインの建物です。
山城のような構造で山の斜面に多くの建物が立っていました。落ち着いた雰囲気でどこか心温まるものがありました。病院機能には光るものがあり、いつでもどんな心臓手術にも即応できました。

1998-2007年
京都大学医学部心臓血管外科教授
Kyoto University Hospital, Cardiovascular Surgery, Professor and Chairman

当時の京大病院の全景です。
新外来棟ができ、まだ旧外来棟が残っている時期のものです。
10年近い間お世話になり、さまざまな手術実績や業績を上げることができました。断らない医療と心臓血管手術をもっとやりたく、下記へ転じました。

2007年-2013年
豊橋ハートセンター・大和成和病院 心臓血管外科スーパーバイザー

豊橋ハートです。断らない医療の実践と心臓手術や治療はもちろん、民間病院とくに専門施設のあり方や運営、指導者の姿まで勉強できました。まもなく名古屋ハートの立ち上げに仲間と巣立って行きました。

2008年ー2013年
名古屋ハートセンター副院長兼心臓血管外科統括部長
Vice president & chief CV surgeon, Nagoya Heart Center (picutre left)

ゼロから立ち上げた名古屋ハートでしたが、多くの方々のご支援をいただき、5年間で愛知県屈指といわれる心臓手術の施設に成長しました。年老いた両親と過ごす時間をもつために郷里奈良に帰ることになりました。皆様ありがとうございました。

2013年―2015年
高の原中央病院かんさいハートセンター特任院長、ハートセンター長、心臓血管外科部長
Project president, Director of Kansai Heart Center, and Chief CV Surgeon
郷里で新しいハートセンターの立ち上げを試み、開心術と大血管手術で初年度150例を達成しました。地方の小さい民間病院でハイリスクの大手術は手控えようという方針になり断らない医療ができなくなったため撤収いたしました。
関係の皆様に感謝申し上げます。

心臓手術執刀中 (撮影: 其田益成 氏)

2015年―2024年
仁泉会病院 心臓血管外科部長(兼任)
Director of the Department of Cardiovascular Surgery and Chief CV Surgeon, Jinsenkai Hosp.
2015年―2016年
野崎徳洲会病院 心臓血管外科 スーパーバイザー
Director/Supervisor, Department of Cardiovascular Surgery,
The Heart Center, Nozaki Tokusyukai Hosp.
短い間でしたが助っ人として安全管理の強化と手術治療成績の大幅な改善を達成し、学会専門委員からも高評価を頂きました。あわせて心臓血管外科専門医制度の基幹施設にも認定され、ミッションを果たしました。現場の皆さんありがとう、できればこの成果を守ってください

心臓血管外科外来を担当し、全国から患者さんにお越し頂けるようになりました。病院の方針で心臓外科外来はそのまま福田総合病院に移転しました。伊泊理事長以下現場の皆様には10年近い間お世話になり、本当にありがとうございました。

2016年―2020年
ホロニクスグループ・医誠会病院 心臓センター スーパーバイザー
Supervisor, Department of Cardiovascular Surgery,
Heart Center, Iseikai Hospital
2020年ー現在
福田総合病院 心臓センター長
Director, Heart Center, Fukuda General Hospital
地域医療で高い評価を受けている病院で大きな役割を頂きました。断らない医療を実践しています。心臓手術は一宮西病院(スーパーバイザー)、昭和大学横浜北部病院 (客員教授)はじめ実績のある連携病院群で続けることができ、感謝申し上げます。

下町の地域医療と透析医療から発展してきた病院で、心臓外科は「下町ロケット」を目標に頑張りました。多くの仲間たちに支えられ拡張型心筋症、肥大型心筋症、MICSの弁形成などで世界に発信することができました。谷幸治理事長ありがとうございました。心臓外科チームは全員新天地で頑張り、研究会なども続けています。

その他

2007年―現在
マルファンネットワークジャパン(MNJ) 医療アドバイザー
何でもご相談ください
2010年ー現在
All About (オールアバウト) ガイド(心臓血管血液の病気)
心臓病知識の普及に努めています
2013年ー現在
NHK文化センター(名古屋京都大阪梅田神戸)講師
病院では言いにくいこと、聞きづらいことでも遠慮なくどうぞ。
2007年ー現在
患者さんの会  年2-3回、心臓手術後の患者さんたちのための健康講座を開いています。詳細はこちらを。
最近忙しく、疲れがでて時たましかやっていません。その分上記のNHK文化センター講演やメール相談や、もちろん適宜外来をご活用ください

趣味

写真

ご指導ください。カメラ遍歴はキャノンペリックス、EF、 T90、コンデジ各種、EOS50D、現在は EOS7D MkII。

詳細はこちら

ネコ

ネコを6匹(家の中に3匹、外に3匹)飼っていました

ゴルフ

コンペの時だけコースにでる怠け者ゴルファー。ハンデのおかげで優勝歴2回。奈良国際ゴルフ倶楽部のメンバーになりました。たまにしか行きませんが一緒にどうですか

水泳

平泳ぎと背泳のみ クロールは勉強中

読書

マンガ愛好  美味しんぼ、医龍、永遠のゼロ、ブラックジャック、ドラゴン桜、ゴルフは気持ち、ジャングル大帝、横山光輝の歴史もの

音楽

いろいろ iPodに数万曲入れています。クラシックは3B(バッハ、ベートーベン、ブラームス)、ポップス色々特にビートルズ、和製ポップス(シティポップス系)その他。

糖質制限食ダイエットとサプリのおたく

他人様を痩せさせるのが好き。NPO法人日本ローカーボ食研究会の理事もやっています。

専門医、学会役員等(含、歴任)

  • 日本胸部外科学会認定医
  • 日本胸部外科学会指導医
  • 日本外科学会認定医
  • 日本外科学会専門医
  • 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医・修練指導医
  • 米国胸部外科学会(AATS)会員 member
  • 米国臨床胸部外科医会(STS)会員 member
  • ヨーロッパ心臓胸部外科学会(EACTS)会員 member
  • アジア心臓胸部外科学会(ASCVS)会員・理事 member, manager
  • アジア弁膜症アカデミー(Mulu弁膜症国際シンポジウム) 理事 faculty 、第9回国際シンポジウム会長(2018年11月於・京都)
  • 日本冠疾患学会 理事歴任、名誉会員
  • 日本冠動脈外科学会 理事・監事
  • 日本低侵襲心臓手術学会(旧Japan MICS Summit) 世話人(理事)
  • 日本心臓血管外科学会 理事歴任、特別会員

客員教授、非常勤講師など(兼任、歴任)

  • 神戸大学医学部大学院非常勤講師
  • 岡山大学医学部大学院非常勤講師
  • 中国・大連大学医学院附属中心医院客員教授
  • 中国人民解放軍第二軍医大学客座教授
  • 中国天津医科大学・泰達国際心臓血管病院客員教授
  • 昭和大学客員教授(横浜市北部病院)

大連中心医院にて手術中

業績

社会活動

京大教授時代に10名の同門外科医を各地の大学で教授になるお手伝いをさせて戴きました。京大退官後も6名の元弟子が教授選出されました。

同、151名の医学生を海外(アメリカ、カナダ、フランス、豪州など)の大学病院で臨床実習する支援を行いました。

100名を超える若手医師の海外臨床留学(カナダ、オーストラリア、アメリカ、フランス、イタリア、マレーシア、ニュージーランド、ベトナム)のお世話をして来ました。

本HP、オールアバウト、節約社長、NHK文化センター、メディアなどで一般の方々の健康増進、病気予防、早期発見から治療までの啓蒙活動を行っています

ベトナム共和国ホーチミン市にあるチョーライ病院に心臓血管外科を2000年に立ち上げました。
同科は発展を続け現在は年間1200例以上の開心術を行う一流ユニットに成長しています。

参考

心臓手術のお問い合わせはこちら患者さんの声はこちら
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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御礼とご報告:患者さんの会

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最終更新日 2019年12月29日

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ここでは米田正始の手術を受けられた患者 183427931さんの会についてのご案内やご報告、御礼などをUpします。

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お便り・メールのページはこちら

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かつて(1998年4月ー2007年1月)、京都大学病院や近隣の武田病院、音羽病院などで手術させていただいた患者さんやその周囲の方々と旧交を温め、

さらにお役立ち情報を提供する機会となっています。

実際、ちょっとしたご質問や悩み相談がきっかけになって大きな病気、それも心臓にかぎらずがんや肺、眼、脳神経その他の病気の解決にお役にたったケースが多数あり、うれしく思っています。

 .

Ilm08_cf05008-sかつて米田の手術を受けた患者さんの中にはこの会の存在をご存じない方もまだまだ多いため、もしそうした方を知っておられれば声をかけてあげて下さい。

 .

なお最近、米田以外の先生の、あるいは他病院での心臓手術を受けた方のご参加も見られるようになりました。

この会は閉鎖的なものではありませんので、今後もご遠慮なく、どしどしご参加頂ければ幸いです。

皆で心臓手術後の健康を守りましょう。

(お詫び:最近は時間がなかなか取れず、業者さんに依存しないクリーン方針のためこうした会を運営するマンパワーも少なく、会がなかなか開けずにおります。何かお困りの時はNHK文化講座やこのHPの質問票やメール、あるいは仁泉会病院、医誠会病院の外来をご活用ください。)

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第十一回患者さんの会のご報告と御礼: 盛会裏に終 A330_003わりました。感謝申し上げます。
第十一回患者さんの会のご案内: 大変お待たせいたしました(汗)

第十回患者さんの会のご報告と御礼

第十回患者さんの会のご案内

第九回患者さんの会のご報告と御礼

第九回患者さんの会のご案内

第八回患者さんの会の御礼とご報告(心臓突然死の講演も) 

第八回患者さんの会のご案内

第七回患者さんの会のご報告と御礼 

第七回患者さんの会のご案内

第六回患者さんの会のご報告と御礼

第六回患者さんの会のご案内 懐かしい患者さんたちと旧交を温めることができるのは幸せなことです

第五回患者さんの会のお礼とご報告

お礼と第五回患者さんの会のご案内

第四回患者さんの会のご案内

患者さんの会の皆様へのご連絡

第三回患者さんの会への御礼とご報告

第二回患者さんの会への御礼とご報告

ご支援を下さった患者さん達へのご報告と御礼

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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第三回患者さんの会への御礼とご報告

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第三回患者さんの会への御礼とご報告

平成20年5月吉日

拝啓 初夏のの候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。コンピュータの不調でお礼の記事をだすのが遅れましたことをお詫び申し上げます。

4月26日には第3回患者さんの会(「米田先生を囲む会」)を開催していただき、誠にありがとうございました。今回もたくさんの方々にご出席頂きまして心から御礼申し上げます。今回は AEDの練習でも楽しみながら積極的に参加いただき、うれしく思いました。

今後も下記ホームページに心臓外科の患者様のお役に立つ情報をたくさん掲載していく予定でございます。宜しければご活用下さい。

①米田正始 のホームページ「心臓血管外科情報WEB」 Yahoo又はGoogleの検索で「米田正始」とご入力頂き、検索して頂ければ 「心臓血管外科情報WEB」が出てまいります。

<ホームページアドレス https://www.shinzougekashujutsu.com/

②ワーファリン情報サイト「心臓外科患者さんの為のワーファリンサイト」

Googleの検索で「心臓外科 ワーファリン」とご入力頂き、検索して頂ければ「心臓外科患者さんの為のワーファリンサイト」が出てまいります。

<ホームページアドレス http://blog.livedoor.jp/warfarin_cvs/

次回、第4回の会を9月20日(土)午後に予定していただいております。世話人の皆様、ありがとうございます。日が近づいてまいりましたら詳細のご案内をオフィスからお送りさせて頂きたく存じます。次回も皆様とお会いできるのを楽しみにいたしております。

末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。くれぐれもお体ご自愛下さいますようお願い申し上げます。

敬 具

米田正始 拝

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執筆:米田 正始
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ひとと自然と ―― 心臓外科医の写真紀行記

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[ 無料素材写真集 ]

当フォトギャラリーはリンクフリーです。リンクはご自由にお貼りください。ご連絡も不要です。出来ましたら当サイトにリンクをしていただければ幸いです。写真は商用利用も含めて無料でご利用いただけます。ただし再配布はご遠慮ください。

ご感想やご意見などはこちらへどうぞ:メールを送信

 

Photo_2   ひとと自然と 第一集

 

仕事柄、手術や発表・講演などで国内外のあちこちへ行く機会があります。せっかくのすばらしい、あるいは美しい、自然やひとや動物などをそのまま忘れるのはいかにも惜しいと、仕事が一段落したらデジカメを片手に出かけていっては撮ったミニ写真集です。感想や技術的なことも含めたご指導など、なんでもお聞かせ頂ければ幸いです。

Photo_4     ひとと自然と 第二集

 

一番美しいものは何かと聞かれたら私は心臓と答えるかも知れません。究極の機能美と思うからです。心臓が美しい形を取り戻せばパワーアップができ、患者さんは元気になる、といったら少々非科学的でしょうか。世の中には同じ観点で美しいものが沢山あると思います。それをなかなか記録し表現できないのが残念ですが。

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ひとと自然と 第三集

ひとと自然のかかわりの中で最近の熱い話題はやはり地球温暖化でしょうか。20年ぶりにカナディアンロッキーに立ち寄り、氷河がすっかり小さくなっているのを見て驚きました。また暖かい地域でも変化は着実に起こっているようです。それらの結果日本でマラリアが大流行するなどの懸念もでているようで、絶妙のバランスでかろうじて成り立っているのは地球から病気の心臓まで同じなのかも知れません。

Photo ひとと自然と 第四集

 

医学とくに外科の世界ではアートとサイエンスは永遠の課題としてよく話題になります。手術でいえばきれいな手の動き、アスリートのような速くて正確な仕事、見るからに美しい仕上がり・美的センス、これらはアートの例ですが、その手術を支えるさまざまな理論や知識・技術、学習や考察の集積、これらはサイエンスの例です。どちらも大切で、どこまで修行しても頑張っても終わりがない世界です。古い建築物や芸術作品、あるいはいろんな職人さんたちの動きを見ているとアートとサイエンスの共存を感じます。

Photo ひとと自然と 第五集

自然の妙というのは意外に身近にあるようです。雹ひょうで多数の穴があいても頑張る植物、いっせいにシンクロして開く桜の花と開かずに待つ葉、さまざまな表情を見せる朝日や夕陽の海、陽光を受けて異なる色彩を放つ植物、さりげなく存在感と季節感を出す梅雨時の花、いずれも必然性があってそうしていると思うと奥が深いと感じます。そういえば一生涯仕事をし続けると言われる心臓は、わずかな時間を活かして一生涯休憩している一面もあり、これまた自然の妙かも知れません。

Photo ひとと自然と 第六集

仕事のため飛行機に乗る機会が多いためか、最近空撮に少し凝っています。といっても飛行機の窓にきれいなものが見えれば撮るだけのことですが。空から見ると陸から見た場合とはかなり違う形で見えますし、美しさや面白さを再発見することもあります。少しアプローチを変えれば見えるものがずいぶん違うというのは心臓手術と同じで、こうした柔軟な視点が結構患者さんのお役に立つことがあります。手術の要領で空からも意外に簡単に見たいものが見つけられます。このシリーズではその一部を載せました。

Photo

ひとと自然と 第七集

北京オリンピックは数多くの見せ場や感動を残して終わりました。たまたまこのシリーズでは最初(大連、5年前)と最後(北京、3年前)の部分が中国の写真です。多くの人たちの努力で中国が急速に成長しているのを大連でも北京でも感じましたが、アメリカやシンガポール(いずれも中ほどに写真があります)などと比べると、後者には何となくゆとりやそこから来る美しさ・センス・ユーモアがあるように思います。その点日本はどうでしょうか。
心臓手術では手術室のピーンと張りつめた空気や重要ポイントでの静寂さが事故予防に役立つとかつて海外で教えられ、お互いに真剣勝負の心構えでやって来ましたが、真面目さだけでなくゆとりやりラックスもまた大切と知り、最近はここというポイントどころでは緊張感を漂わせながら、その部分が過ぎればジョークを誘発しては一緒に楽しむ雰囲気を作っています。チーム全体のパワーアップにつながっているようです。中国にも少しリラックスしてエコや自由を考えて頂きたく思うこのごろです。

Photoひとと自然と 第八集

 

今回はいつもの写真紀行記にくわえてミニ歴史探訪の旅というかたちの写真を入れました。長篠の戦いはご存じのように戦国時代、武田勝頼の騎馬隊が織田信長の鉄砲隊に惨敗を喫した歴史的戦いとして知られ、ヨーロッパでスペインの無敵艦隊がイギリス海軍の新鋭船の前に壊滅したアルマダの海戦と比較される戦いです。しかし単に鉄砲が馬に勝ったのではなく、鉄砲が馬に勝てる条件を一つまた一つと集積し、鉄砲の力をフルに発揮できるよう仕組んだ信長の戦略の優秀さによるものと実感しました。難病や重症に取り組む手術や治療も同じではないかと思いました

Photoひとと自然と 第九集

今回はソウルとサンディエゴに行ったときの写真に国内でのものを加えました。サンディエゴには米海軍の代表的軍港があるため戦争と平和を思わず考えさせられました。ソウルでは国宝No.1の南大門が社会に恨みをもつ人の放火のために焼け落ち、複雑な気持ちになりました。もちろん写真を撮ったころは見事な建物は健在でしたが。このシリーズでは動物の写真を数枚入れましたが、動物の生きざまの中には癒されたり感動を覚えることが多々あり、これも自然の良さなのかと思うこのごろです。難しい手術で迷ったときは自然をまねよ、とは恩師Dr. Davidの言葉です。

Photo ひとと自然と 第十集

巷は総選挙に突入ということで騒がしくなりつつあります。医療関係では何と言っても医療崩壊の問題に有効な手を打ってくれる人たちに政権を任せたいと個人的には思っています。今回のギャラリーの前半では恒例の学会に参加したアメリカ・サンディエゴと新しい心臓再生医療立ち上げのため訪問したタイ・バンコックでのスナップ写真が含まれます。いずれの国も医療の問題課題を抱えてはいますが、こと心臓外科に関する限りは日本よりはベターで、院内での医療崩壊というほどの荒廃は無いように感じます。手間のかかる治療やリスクの高い患者さんはなるべく避けよう(つまり見捨てるわけです)という考え方がなぜ日本の公的病院では増えたか、またそれに疑問を持たない指導者・管理者がなぜ多いのか、海外の前向きのシステムや姿を見ていると答えが見えてくるような気がします。

Photo ひとと自然と 第十一集

今回は伊勢とベトナム紀行記です。伊勢はこどもの頃から臨海学校でお世話になり、高校以後は海水浴によく行ったので思い入れがあります。伊勢の奥にある志摩は田舎の良さと自然の美が残る地です。伊勢神宮には半端でない迫力を感じます。心臓手術のあとで、「人事を尽くして天命を待つ」心境になることは、全身が衰弱した重症患者さんの場合はあり得ることです。そんな時神の存在はありがたいなあと思います。

ベトナムの方は、昨夏、世話人を務めるアジア弁膜症シンポジウムのためダナンへ行った時のものです。アジアの仲間たちと楽しく勉強しました。ダナンはかつてベトナム戦争のころは米軍基地がある前線地域でした。今、平和な時代となり、アメリカ資本が入って欧米風リゾート化が進んでいるのを見ると、あの戦争は何だったのだろうとふと思います。ベトナムの人たちは優しく、粘り強く、器用で、素朴です。それを随所で感じました

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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