第三回Mitral Conclaveに参加して

Pocket

伝統ある米国胸部外科学会(略称AATS)のサテライト学会ともいえるこのMitral Conclaveは僧帽弁の外科治療を突っ込んで研究する会として4年前に発足し、早3回目となりました。

.
私は代表のDavid Adams先生(写真右)のお誘いで初回から参加させIMG_1415て頂き、その都度刺激や知識をいただき、あるいは仲間との意見交換の中で貴重な経験を積み、楽しい時間を過ごして来ました。ここまで毎回発表し、今回は3つの発表で思わずちからが入ってしまいました。といってもポスター3つ、ただし1つはFeatured Abstractという優秀演題となり、日本発の研究が評価されてうれしく思いました。

.
毎回会場はNew York市内のホテルが使われ、おかげでNew Yorkになじみができました。タイムズスクエアの賑わいやエンパイアステートビル、そして9・11で崩壊したあとついに再建なった世界貿易センタービルなどが近くにあり、世界をリードするミュージカルやオペラ、コンサートなど、文化の中心であることを実感します。
.
学会では僧帽弁の手術治療についてさまざまな観点から発表と討論がなされました。
Adams先生の熱心なご性格からでしょうか、この2日間で僧帽弁のすべてが学べるようにという意気込みが感じられる構成で、高名な権威筋といえどもひとり8分の圧縮した濃い内容のプレゼンがぎっしりと詰まっており、それらが一段落したところで総合討論して理解を深めるという形でした。

.

たとえば一日目最初のセッションでは我が恩師Tirone David先生の僧帽弁のExposure(つまり弁を出すためのアプローチ法)、David Adams先生の病変の評価、Francis Wells先生の逸脱の治し方、恩師Craig Miller先生の弁輪の治し方、今回のAATS会長Pedro Del Nido先生のクレフトその他の先天性病変の治し方、Robert Dion先生のSAM対策法、Ottavio Alferi先生の二次的MRの治し方、Gilles Dreyfus先生の評価と形成の完成、そして総合討論とおなじみの先生方の系統的連続講義で実によく練られたプログラムと感心しました。

.

僧帽弁形成術を日ごろから多数こなしている私たちにとっては内容もおなじみのものが多いのですが、随所に新しい流れを感じて参考になりました。

.

朝から晩まで12時間近く、よくまあこれだけ僧帽弁の話題があるものだと感心しながら、それでもまだ勉強したりない、まだまだ序の口といった感覚があり、この会は当分続きそうだと予感しました。

.

私自身は次の3つの発表を行い、これまでの努力を皆様に問うてみました。
まず機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する新術式である乳頭筋適正化術・PHO法の中期遠隔期成績。これはFeatured Abstractという優秀演題の一つに選ばれました。機能性僧帽弁閉鎖不全症の多くはこの方法で弁形成できる、長もちする、心臓外科医はもっと弁形成に取り組んで下さいという気持ちでお出ししました。

.

今回のConclaveでも機能性僧帽弁閉鎖不全症は弁置換にしようとか、Mクリップという不完全な方法で逃げておこう、あるいはTMVRという低侵襲の弁置換でかわしておこうという空気が強く、もちろん手術できないほどの重症では良いと思いますが、手術で元気になれるものをなれなくしてしまう、そんなことのないようにと訴えたつもりです。

.

もう一つの発表はHOCMつまり肥厚性閉塞性心筋症で僧帽弁閉鎖不全症を伴うものに対するモロー手術つまり異常心筋切除術の発展型をお示ししました。技術や道具の進歩で、従来は難しいとされた大動脈弁越しに心尖部まで自由に心筋切除ができることを示し、さらにMICSという小切開手術まで可能ならしめたことを発表しました。恩師David先生も賛同してくださり、うれしいことでした。もともとトロントで学んだ技術をMICSの方法などを加味して発展させただけに、思いいれのあるテーマだったのです。

.

HOCMで発作を繰り返し、仕事や楽しみを奪われて失意の人生を送っておられる方々をこの方法でこれまで多数お助けしてきました。しかしまだまだ未治療で困っておられる患者さんは多いようです。ぜひそうした方々のお役に立ちたく思いました。

.

今一題の発表はポートアクセス法でのMICS手術の展開についてです。僧帽弁形成術だけでなく、大動脈弁手術三尖弁形成術メイズ手術なども必要あらば併せて行い、MICSがより汎用性のある手術法になればと思います。まだまだ注意すべきこと、改良すべきこともありますが、かなり光が見えて来たように思います。

.

こうした発表を見るひとは見て下さっており、ありがたく感じました。

.

今回の会ではカテーテルで行う弁治療、いわゆるSHDインターベンションが着実に進歩しているという現実がより明らかになりました。Mクリップによる弁形成はまだまだ不十分な治療という弱点が否めませんし、TMVRつまり左小開胸にて心尖部からTAVIのようにして入れる、オフポンプでの弁置換もかなり盲点や弱点が多いと感じましたが、外科手術ができない場合などに有力な治療法になり、歓迎すべきことと思いました。

.

またダビンチロボットによる僧帽弁形成術も通常医療として根付いていることも確認できました。日本では保険が効かず患者さんの負担が過重になることからまだ課題が多いですが、うまく使えば価値が出てくるものと思いました。

.

大動脈弁関係でも熱い議論が多く交わされました。しかしカテーテルによるTAVRの話題になりがちで、外科医としてはちょっと退屈な場面もありました。治療の低侵襲化は時代の要請ですし、これから積極的にカテーテル治療を導入しながら、やはり外科手術しかないという治療を行える数少ないセンターのひとつになるのが正解ではないかと感じた次第です。

.

ともあれ内容ぎっしりの二日間で、多くの仲間や先輩たちと語り合えて実りある時間が過ごせました。その間、留守を守って頂いた高の原中央病院かんさいハートセンターの皆様に感謝申し上げます。

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

第5回ハートバルブカンファランスの御礼

Pocket

早いものでこの弁膜症の研究会がスタートして5回目になりました。思えば第一会のときはたまたま同じ日にあの東日本大震災が起こり延期になったという忘れられない想い出がありました。

.
今回は私が当番世話人、学会でいえば会長を仰せつかり、1年前から準備を進めて参りました。
この会の「公式」報告は雑誌「心エコー」に掲載されますので、そちらをご参照ください。
ここでは自分なりに感じたことなどをお書きします。

.
HVC2015この研究会は前回から大阪で開催されていますが、今回も当番の私が奈良ということで大阪開催となりました。パンフレットの阿修羅像は川副先生がデザインして下さったもので、同先生の美的センスに感嘆いたしました。

.
そこで気がついたのですが、阿修羅はもともと仏にお仕えしていたのが、あまりやんちゃが過ぎ戦いに明け暮れ、仏の逆鱗に触れて改心し仏教を守護する神になったという伝説(諸説あり)で、古い大学の体制に嫌気がさして逆らったのを批判され、象牙の塔を出て市中病院で患者さんのために日々汗を流すようになったのとどこか似ていて、これからは大人しくしようとふと思ってしまいました。

.
ともあれ1年かけて代表世話人の川副浩平先生や前回当番の中谷敏先生らと何度もミーティングを持ち、今大切なことは何か、今議論するにふさわしいテーマは何か、今何が面白いか、といったことを念頭にテーマを決めて行きました。

.
出来上がったプログラムを見て多くの世話人の先生方が面白そうで楽しみですという旨のご意見を下さり、安堵したものです。当日は満員御礼に近い状態となり立ち見の方もでるほどで、皆さんに感謝一杯の一日となりました。

.
まずPreconferenceセッション「ハートチームはもっと楽しくなる」から、心臓病センター榊原病院の坂口太一先生と東京大学循環器内科の大門雅夫先生に、より良いハートチームへの努力経験をお話頂きました。いろいろ反省しながら拝聴していたのは私だけではないでしょう。

.
カンファランスの内容は上述の雑誌をご参照頂くとして、まずその骨子を以下にまとめます。

.
まずCase Study1「外科医今昔物語―その2 ”How would you operate?”」。若手をベテランが叱咤激励する恒例の企画です。3名の新進気鋭の心臓外科医、神戸市立医療センター中央市民病院・小山忠明先生、東京ベイ・浦安市川医療センター・田端実先生、済生会中津病院・中桐啓太郎先生に苦労症例を提示していただき、辛口のエキスパートコメントを京都府立医科大学・夜久均先生と東京慈恵会医科大学・橋本和弘先生から頂きました。もちろん座長の川副浩平先生と東京女子医大・芦原京美先生からもご質問とご指導を頂きました。

.
Case Study2「大動脈弁をもっと知ろう」ではまず東邦大学医療センター大橋病院の鈴木真事先生に二尖弁関係のユニークでハイレベルのお話を、ついで心臓血管研究所の國原孝先生が弁形成術で足りないもの、不確かなものについてお話されました。座長の神戸大学・大北裕先生と高の原中央病院・太田剛弘先生にはエキスパートのご指導を頂きました。

.
ランチョンセミナーは少しディベート風に1.桜橋渡辺病院・小山靖史先生の「エコーに負けないCT」と、2.東京ベイ浦安市川医療センター・渡辺弘之先生の「CTを飲み込むエコー」でした。大変勉強になりました。座長の心臓センター榊原病院・吉田清先生の絶妙な司会のもとでよく理解できました。

.
午後のCase Study3は今日的話題の「HOCM+MR 治療の深淵」でした。この道の権威でもある榊原記念病院・高山守正先生が最近の内科的治療とくにカテーテルアブレーションでのSeptal Reduction心室中隔縮小術を供覧されました。それに続いて不肖私、米田正始が近年話題の「Mid-Ventricular Obstructionの手術」で左室の奥深い、これまで手術困難とされて来た深い部位の手術を実際の症例群を提示しながらご紹介しました。HOCMでもハートチームで優れた治療ができればと思います。

.
なおHOCMはトロントでは多数の患者さんがおられました。成人先天性心疾患の有名な外来があったからです。そこで当時トロントこども病院のチーフ心臓外科医であったWilliams先生が毎週、当時私がいたトロント総合病院(TGH)へ手術をしに来られていたのです。ほとんど毎週HOCMがあり、私もちょくちょくその手術に入って勉強させて頂きました。本場の手術を直伝で教えて戴いたことが25年もたった今、ますます役に立っています。

.
このHOCMの手術は視野が悪く、慣れないとおいそれとはできない、たとえできても不完全手術となり再発の原因となるため普及していません。これからこの手術をより発展させ、次世代に伝えていきたく思っています。

.
この手術によって、これまで心不全や発作、二次的な不整脈などのため仕事もできずつらい毎日を送って来られた方々が元気に社会復帰しておられます。ぜひとも多くの患者さんたちにお元気になって頂きたく思い、発表させて頂きました。

.
さらに川副先生が「SAM+MRの変り種」で、最後に大阪大学・中谷敏先生が「病態生理のまとめ」をされました。座長の榊原記念病院・高梨秀一郎先生と三重大学・土肥薫先生には多数の有益なコメントやご質問を頂き、内容の理解を深めていただき、感謝申し上げます。

.
最後のセッションはディベートでCase Study4「曲がり角に来た弁膜症の治療」でした。

.
まず「TAVIはもっと軽症でもよいのでは?」では九州大学・有田武史先生が解剖要件を満たせばもっと積極的にTAVIをやって良いというデータを示され、それに対して岩手医科大学・岡林均先生はTAVIの成績は改善しても医療費が大変高騰して将来成り立たなくなる懸念を示されました。

.
ついで「MitraClipは本当に使えるの?」ではイタリアはシシリー島帰りの東海大学・大野洋平先生がその有用性と限界を示されました。一方、外科からは長崎大学の江石清行先生が多数の僧帽弁形成術症例を提示しつつ、これにどうクリップを使えるのですかという疑問を投げかけられました。
座長のみどり病院・岡田行功先生、天理よろづ相談所病院・泉知里先生、うまくかじ取りしていただき、実りある内容として頂けたこと、感謝申し上げます。

.
最後に川副先生が代表幹事としてのご挨拶と、この研究会が5年の節目を右肩上がり状態で迎え、今後さらに続けて行くという世話人会決定を報告されました。

.
こうして第五回ハートバルブカンファランスは盛況の中に終了しました。蛇足ながら個人的にはかんさいハートセンターを認知していただいたのもありがたいことでした。皆様、来年もまたよろしくお願い申し上げます。

.
米田正始 拝

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

【第五十八号】NHK文化センター講演のお知らせ

Pocket

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 いい心臓・いい人生 【第五十八号】NHK文化センター講演のお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           発行:心臓外科手術情報WEB
           http://www.masashikomeda.com
           編集・執筆:米田正始
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

永く感じられた寒い季節が去り、急に温かくなったこの頃ですが皆様いかがお過

ごしでしょうか。

あちこちで桜が美しく、新たな元気が出てくるような気がいたします。

かんさいハートセンターでは内科外科コメディカルを含めて新たな仲間が増え、

これからより多くの患者さんをお助けできるよう、皆で相談しています。

さて今年もNHK文化センターにて講演することになりました。

4月に京都で、5月に大阪でいたします。

それぞれ特徴を持たせようということで、京都では心臓手術や心臓病に重点をお

き、大阪ではダイエットに重きをおくようにしたく思います。

これからの健康生活や心臓病の克服を考えるとき、有用な知識になると思います

。以前に参加下さった方々にも役立つように工夫したく思います。

またここまでダイエットをトライしてうまく行かなかった方にはご質問を頂けれ

ば解決のヒントが得られるかも知れません。

皆さんふるってご参加下さい。

■京都:

平成27年4月19日(日)10:30-12:30

場所:NHK文化センター京都教室

〒600-8006
京都市下京区四条通柳馬場西入ル
立売中之町99四条SETビル3F

TEL:075-254-8701 
FAX:075-254-8625
URL:http://www.nhk-cul.co.jp/school/kyoto/

■大阪(梅田):

平成27年 5月17日(日)13:00~15:00

場所:NHK文化センター 梅田教室

〒530-0017 大阪市北区角田町8-1
梅田阪急ビルオフィスタワー17F

TEL: 06‐6367‐0880
FAX: 06‐6367‐0881
URL:  https://www.nhk-cul.co.jp/school/umeda/

平成27年4月5日

米田正始 拝

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright (c) 2009 心臓外科手術情報WEB
           http://www.masashikomeda.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

3) 拡張型心筋症とは?―各治療法の限界を踏まえるとかなり治せます【2025年最新版】

Pocket

最終更新日 2025年9月20日

.

◆拡張型心筋症とは?

.

図 DCMと正常拡張型心筋症(DCM:Dilated Cardiomyopathy) とは、心臓の主なポンプである 左心室(左室)が異常に拡大し、壁が薄くなってしまう病気 です。

.

その結果、心臓が十分に血液を送り出せなくなり、心不全を引き起こします。

.

.

*拡張型心筋症と似た病態に虚血性心筋症があります。心筋梗塞が原因で心筋が傷む点が特徴で、治療法も異なります。

.

症状は以下のように進行します:

  • 初期:運動時の息切れ・動悸

  • 進行期:安静時にも息苦しい、起坐呼吸(横になれない)

  • 末期:強い心不全、下肢のむくみ、胸痛、失神

.

◆拡張型心筋症が怖い理由


.

DCMは「悪循環」に陥る病気です。心筋症の中でも要注意と言われるゆえんです。図 梗塞後リモデリング

  1. 左室が拡大

  2. 壁への負担が増える(ラプラスの法則)

  3. 壁がさらに薄くなり、ポンプ機能が低下

  4. 心室がさらに拡大し悪化

このサイクル(悪循環)が続くことで、やがて死に至ることもあります。

.

さらに、左室の変形で 僧帽弁や三尖弁が閉じなくなり、逆流(機能性僧帽弁閉鎖不全症) を起こすことが多く、心不全を加速させます。

.

◆拡張型心筋症の治療法

.

Zoki_021. 内科的治療(第一選択)

  • 心不全治療薬(ACE阻害薬、ARB、ARNI、β遮断薬、MRAなど)

  • 利尿薬による症状緩和

  • 心臓リハビリテーション

  • 在宅で使えるASV(非侵襲的換気補助)

.

2. デバイス治療

  • CRT(心室再同期療法):両心室をペースメーカーで同調させ、心臓の効率を改善

  • ICD(植込み型除細動器):致死性不整脈から命を守る

  • カテーテルアブレーション:重度の不整脈治療

.

3. 外科的治療Ilm09_ag04003-s

  • 左室形成術(リバースリモデリング):壊れた部分を補強し、左室の形を整えて機能を回復

  • 弁形成・弁置換術:弁膜症を合併した場合に有効

  • 冠動脈バイパス術(CABG):虚血が原因の続発性DCMに

※左室形成術は一時期「STICHトライアル」で過小評価されましたが、専門施設では今も有効例が多く報告されています。

*外科的な選択肢として左室形成術があり、心臓の形態を整えることでポンプ機能を改善できる場合があります。

.

4. 補助循環・人工心臓

  • 重症例では 補助人工心臓(VAD) を装着

  • 5年生存率は約65%と、心移植に匹敵するレベルに改善

5. 心移植

  • 日本でも1998年以降に実施可能に

  • ドナー不足はあるものの、拡張型心筋症の最終治療法

.

6. 再生医療(研究段階)

  • iPS細胞やES細胞から作った心筋細胞を移植する研究が進行中

  • 心筋を直接修復する治療法として期待

.

◆アフターケアの重要性A316_004

.

  • 手術後や治療後も、薬物療法を組み合わせて 心機能を長期的に保護

  • 心臓リハビリで体力回復

  • 定期的なフォローアップで悪化を防ぐ

 .

 .

◆まとめ:拡張型心筋症は「治療可能な難病」

.

  • 難病指定ではあるものの、薬・手術(たとえば左室形成術)・デバイス・補助循環 を組み合わせれば改善できる病気

  • 体力があるうちに専門医へ相談することが、救命につながります

  • 患者さんやご家族は、むやみに恐れず、早めに治療選択肢を検討することが大切です

.

患者さんやご家族にお願い:心不全が悪化し、ICUに入るなど、危険な状態になってから手術相談をされる方が今なお少なくありません。手術に耐える体力があって初めて手術ができますので、ある程度体力がある(例えば何とか歩ける)うちにご相談頂けますと、それだけお役に立ちやすくなるでしょう。

 .A303_048


患者さんの想い出はこちら:

 .

.

Heart_dRR
お問い合わせはこちらへどうぞ.

pen

患者さんからのお便りのページへ

心筋症・心不全 にもどる

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

西奈良中央病院

Pocket

西奈良中央病院はその名のとおり奈良市西部の中核病院で、かつ地域密着型です。

昭和31年に開設され、年々発展を遂げてこられました。

平成18年には病院機能評西奈良中央病院価で合格され、同24年には現在の鶴舞地区へと移転新築され発展しておられます。

奈良県における緩和ケア病棟の草分けのひとつですし、慢性血液透析や人間ドックにもちからを入れておられます。

もちろん地域医療の拠点として救急医療にも貢献しておられます。

奈良医大の関連病院というご縁もあって高の原中央病院とは以前から交流があり、かんさいハートセンターが発足した2013年からは病々連携が次第に密になっています。

紹介には逆紹介でお応えし、今後ますます連携を強めて行ければと思います。

 

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

西ノ京病院

Pocket

西ノ京病院は奈良県で最大の透析センターをもつ地域の中核病院で昭和61年に開設されました。世界遺産薬師寺のちかくという得難いところにあります。

療養や介護まで幅広く守備範囲とする新しい時代に即応した病院です。あたらしい地域包括ケアにも対応されています。

透析にちからを入れておられるため循環器内科や血管外科も活発です。

前者はこれまでも交流があり今後より活性化して参りたいものです。重症例や緊急例を多くこなしている私どもかんさいハートセンターですので双方向の連携が楽しみです。

後者ではとくに静脈瘤の手術や治療で実績を上げておられ、奈良医大の関連病院として高の原中央病院とも交流があり、私たちかんさいハートセンターからもご紹介することがよくあります。

西ノ京病院は地域医療と並行して健診にもちからを入れておられメディカルプラザ薬師西ノ京はPETなどの早期がん健診でも有名です。

それやこれやで地域医療のパートナーとして私たちがこれからお役に立てればうれしいことです。

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

大和高田市立病院

Pocket

この病院は昭和28年に開設された奈良県中西部の320床の基幹病院です。

現在は砂川晶生先生が病院長を務めて 大和高田市立病院
おられます。

エイズ感染協力病院や災害拠点病院、 奈良県地域がん診療連携支援病院なども兼ねている有力病院です。

昔から京都大学や奈良県立医大などとの交流が多く、私も学生時代に先輩を訪ねて実習させて戴いたことがあります。ちょうど昭和55年ごろのことで当時は西嶋先生が部長として活躍しておられました。そのころは消化器内科の故・兼松雄象先生が院長を務めておられ、同窓会雑誌などを売り込みに参上しお世話になったこともあります。

Ilm09_ag04004-sかつて故・長瀬正夫先生という名物外科医がおられ、そのころから腹部一般外科が元気な病院という印象がありました。長瀬先生は胆石手術の名手で、京大での講義は私の友人によれば「嵐のような講義」で明快で力強い、患者さんに役立つ、頭の中がすっきりする、そういう講義でした。

現在は畏友で元クラスメートの岡村隆仁先生が外科部長兼副院長として活躍しておられ、同先生が着任されてから外科手術は何倍にも増え、年間900例以上という奈良県でもトップクラスの実績を上げるに至っています。

手術や治療が質量ともに充実しているため、これまで10名近い若手医師をご紹介させていただき、皆さん満足してくれています。これからも自信をもってご紹介したいものです。

京大心臓血管外科の教授を拝命していたころに、この病院で講演をさせて戴いたことがあり、その後の会食も含めて歓待いただきうれしく思ったものです。

私が学生病院実習でお邪魔していた昭和54-55年ごろの建物に加えて平成11年には東館が建設され、今はかなり大きな病院になっています。ハイケアユニットや教育研修センターも併設され、大きく展開しようとされています。

奈良県の地域医療のレベルアップのためにこの大和高田市立病院と連携して私たちのチームがお役に立てればと願っています。とくに心臓や大動脈の緊急手術や傷跡の目立たないMICS手術弁形成その他で他にはできない貢献ができればうれしいことです。

 

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

土庫病院

Pocket

土庫病院は奈良県中部の地域医療を支える拠点病院です。

無差別・平等の医療、安全・安心で信土庫病院頼される医療を理念に掲げた、志の高い施設です。

奇しくもほぼ私が生まれた頃に発足し、多くの地域住民から支持され現在の199床(一般病床) 13床(地域包括ケア病床)の病院に発展しました。

無料低額診療事業を推進し、誰でも安心してかかれる病院へと努力しておられます。

 

私の実家医院での患者さんのなかにかつてこの土庫病院で事務職として勤務しておられた方があり、お話を聴くたびにここが患者中心、住民本位で愛されていることが実感できます。

とくに消化器疾患、大腸肛門疾患の予防や早期診断と治療にちからを入れ、小児科診療、透析、リハビリテーション、在宅訪問、介護とともに地域医療の基盤を大切にしておられます。

 

院長の山西行造先生には私が京大病院心臓外科にて奉職していたころから大変お世話になり、地に足つけた地域医療の手本を何度も見せて戴きました。また何人もの心臓病患者さんを遠方から搬送いただき、全力あげて心臓手術し元気にお返ししたのを覚えています。

 

高齢化社会で非都市部の奈良県にあって、患者さんもこれまで以上に高齢・重症です。90歳を超えるお歳で、しかしまだまだ生きる意欲を持っておられる患者さんも少なくありません。それぞれの患者さんの全身状態から家庭事情までを考慮して最適の治療を組み立てることが大切と考え、ハートチーム、というより病院全体の知恵を出しあって努力しています。

先日も90歳を超えた患者さんの弁膜症手術でお元気になって頂きました。

故郷奈良県で、個々の患者さんたちのお顔が見える地域医療に貢献できるのは光栄なことです。

今後もよろしくお願い申し上げます。

 

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

第9回宮城 Cardio Tissue Labo Seminarで

Pocket

この回は東東北大学病院北大学心臓血管外科が中心となって若手心臓外科医の手術手技修練のために毎年開催されているものです。すでに9回目で実績のある恒例行事になっているようです。

写真右は東北大学病院です。

今回は教授の斉木佳克先生のご厚意にてご招待いただき、心室中隔穿孔 VSP の講義とウェットラボによる実習およびその指導を仰せつかりました。

10年ほど前に、当時の田林晄一教授のご厚意で講演させて戴いたちょっと懐かしい艮陵会館で講演させて頂きました。病院の目の前という至便のところにあります。

 

心室中隔穿孔は心筋梗塞のあとで心室中隔が破れて右室へ血液が流入し、そのままでは患者さんは一気に心不全になりまもなく死亡される恐ろしい病気です。

私は1980年代後半にトロント大学へ留学したときに真っ先に研究したテーマのひとつでした。

そのころ、多くの心臓外科医がこの病気に取り組んでいましたが、その多くは穿孔した穴を塞ごうとして失敗し、患者さんを失っていました。

心筋梗塞の直後で組織が大変弱く、せっかく穴を塞いでも組織がちぎれてまた穴が開いたのです。

そこであえて直接穴を閉じるのではなく、遠巻きに、心筋梗塞部をパッチで覆うようにすることで、心筋梗塞でやられていない、比較的状態の良い心筋にパッチを縫うことで安定した結果を出したのです。

1989年のアメリカ心臓協会で発表したときにも多くの賞図 VSP手術賛の言葉をいただき、指導してくれた恩師のデービッド先生に感謝したものです。

その後この術式は日本へも導入され、David-Komeda法 とかKomeda-David法 と呼んでいただけるのは光栄な限りです。

この方法で多数の患者さんを救命することができました。この術式は単に穴を塞ぐだけでなく、左室を守る、心不全を予防するという効果もあるからです。それもあってこれが世界の標準術式となっています。

しかしこの方法は3次元的な感覚が必要で、左室内操作に熟練したひとでないと難しいというきらいがあります。

またせっかくきれいにパッチを縫着しても、術後、心筋梗塞エリアがさらに広がれば、パッチを縫った部位も壊れてパッチが外れるという事態も経験しました。

そこでこの20数年、この術式に改良を加え磨き続けて来たのです。その成果をお話しました。

山形大学の貞弘光章教授もこの会にご参加くださり、貴重なコメントを下さいました。(貞弘先生、ありがとうございます。)

東北大学の若い先生方も多数参加しておられ、これからドンドン実力をつけて心室中隔穿孔 VSPのような重症例を救命して頂きたいので、講演では何例も実際の手術ビデオを供覧し、操作に慣れて戴けるように工夫しました。

また最近一部の先生方が使っておられる右室からの二重パッチ法のビデオも供覧し、こうした方法の特徴を知り、うまく駆使してベストの結果を出せるようにしました。2011年から二重パッチ法の拡大術式つまり左室前壁まで保護できる方法を発表していますのでそれも併せて見て頂きました。

それに続いて、ウェットラボが行われました。

ブタ心は内腔が狭いため、手術練習はやや難しいのですが、逆に良い練習の機会にもなり、前向きに進めました。

まず私が前壁中隔のVSPでのDavid-Komeda法のパッチ縫着をデモンストレーションしました。

初心者でもやりやすい、改良型の方法をお見せしました。

この方法で、昨年も長野県の比較的若い先生に初めてのVSP手術を遠隔支援し、見事に救命成功していただいた経験をお話したこともあってか、若手諸君は皆しっかりとブタ心での手術をこなしてくれました。

どなたもきれいにパッチが貼られ、かつそれを組み立てて心筋がちぎれないようにという私の依頼をしっかりと守ってくれました。

初対面でも昔から仲間であったような気持ちになれる、一体感ある雰囲気の中で和やかに勉強ができました。

それから後壁のVSPは乳頭筋や僧房弁、腱索などの構造物のため視野が狭く難しいため、とくにそこを重点的に供覧し、皆さんになるほどと言って頂けたのはうれしいことでした。

つまり左室側から僧帽弁輪を縫えば組織切れもおこらず、難しい手術がうまく行く、これをお示ししたのです。

デービッド先生と開発したこの術式は別名 Exclusion法 と呼びます。心筋梗塞部を除外(Exclusion)するためこう呼ぶのです。皆さんに自在にExclusionできるよう、改良に改良を重ねた最新版、おそらく究極のそれをご披露し、お褒めの言葉を頂きました。

勉強のあとは斉木先生、准教授の川本俊輔先生、病棟医長の熊谷紀一郎先生らとごちそうして頂き、楽しいひと時を過ごすことができました。

私なりに進めている民間病院と大学病院のコラボレーションに前向きのご意見を頂き、うれしく思いました。

楽しく充実感あふれる機会と時間をいただき、斉木先生と東北大学心臓外科の先生方に深謝申し上げます。

 

平成27年3月8日

米田正始 拝

心臓外科医のブログのトップページにもどる

患者さんからのお便りのトップページにもどる

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

第五回日本ローカーボ食研究会に参加して

Pocket

恒例の学術集会がこの3月1日に名古屋で開催されました。

早いものでいつしか5回目となり、内容の深さも当初よりさらに立派になったと思います

まず灰本クリニックの灰本元先182347277生(この研究会の理事長です)が三段階糖質制限法に対する海外の反応という、パイオニアならではのご苦労と今後の方向性がわかるお話でした。

穏やかなローカーボ食(CARD)は過激派からは生ぬるいと言われ、CARD否定派からは単に毛嫌いされるという板挟み状態にあると思います。

しかし従来のダイエット法の良い点をそのまま温存し、悪い点だけ補う、それも科学的根拠にもとづいておこなうという点で穏やかローカーボは優れものと私は考えています。

医学ジャーナルの査読の先生方もまだまだ旧式の、自分の考え以外は否定するひとも少なくありません。着実に仲間を増やしていくのが良いと思いました。なかでも患者さんが喜んで下さり、患者さんが仲間になる、これが強いと思います。

つまりローカーボダイエットを正しく実践する医師のところへ多数の患者さんが集まる傾向がはっきとすれば、あとは時間の問題になると思うのです。

医療の世界では審判は患者さんなのですから。


Ilm09_ad03002-s続いて私、米田正始が心臓外科手術でやせるべき時、太るべき時というタイトルでお話しました。

太り過ぎのため、肺活量が少なすぎたり血糖値その他の問題で心臓手術ができないという患者さんをときどき見かけます。

そうした患者さんたちを、ただ手術適応がない、と断るのではなく、科学的ダイエットで必要な減量を安全に行い、肺活量や内臓脂肪、血糖値その他を良い状態にしてからゆうゆうと安全な心臓手術を行う、これは患者目線の全人医療として正当なものではないかと思うのですが、大方のご意見は好意的でうれしく思いました。

最近進歩しているMICS手術でも太り過ぎの方は脂肪に押されてか、視野が狭いのですが、こうしたケースにもCARDはお役に立っているのです。

 

ついで私たちの知恵袋、名古屋大学名誉教授の加藤潔先生が果糖代謝とブドウ糖代謝の関係ー果物を理解するために、というタイトルでお話されました。

自然科学という言葉がぴったりとくる、論理的で明快で頭の中がすっきりと整理される、興味深いお話でした。

果物には果糖が含まれるタイプがあり、それを食べ過ぎると糖新生が起こり、血糖値や悪玉コレステロールLDL、中性脂肪TG、尿酸その他が増えてメタボの病気を創ってしまうのです。

また果物が熟するとブドウ糖が増えるタイプがあり、熟したときのおいしさの秘密がわかり、なるほどと感心しました。

果物は他の食べ物にはない特徴があり、うまく食べれば健康食品として活かせるという期待をもたせて下さったお話でした。

 

ランチョンセミナーは名古屋大学大学院予防医学の笹壁多恵さんのゆるやか糖質制限食のお話でした。ちょうど研修のためフィリピンに滞在中で、この研究会のために戻って来て頂きました。

フィリピンの食事が炭水化物中心であるのに驚きました。何でも太っているのがひとつのおしゃれ、ステータスのような空気があるそうです。しかし糖尿病が増加しているという事実を見るとこれから彼の地でもローカーボダイエットCARDを啓蒙しなければと思いました。

ランチョンセミナーの時間に糖質制限のスープ、カレー、パンなどがふるまわれました。なかなかの美味で感心しました。スポンサーの皆様に感謝!


午後は管理栄養士さんが中心の発表セッションでした。

Btn_ghc岐阜ハートセンターの大西歩実さんは同センター開設時からCARDを推進して来られた実力派の栄養士さんです。今回はローカーボによってさらに痩せて困った症例を発表されました。

小早川医院の飯塚智子さんはSU剤を減量し、CARDを指導した肥満糖尿病の一例を発表されました。

いずれも立派なお仕事です。あえて前向きにコメントさせて戴ければ、もう少しおだやかローカーボで、かつ体重などでもこれ以上はやらないという限界を設けてやって頂ければ理想的かと思いました。

高の原中央病院4bかんさいハートセンターでの大事な仲間でもある高の原中央病院の余吾淳子さんはエネルギー制限食に比べたローカーボ食の有用性という研究を発表されました。20名の患者さんで2倍の速さで無理なく減量できることを示されました。

これまでのローカーボ研究ではカロリーを一定にして糖質の割合を変えるという科学的検討ができたものはなかったため、灰本先生はじめ大方の方々の高い評価を頂きました。

この研究をさっそく論文にして世にだそうということになりました。余吾さんの努力に敬意!です。

名古屋大学大学院の笹壁多恵さんは2型糖尿病患者の自己血糖測定をとおした連携について発表されました。食生活、食べ物はじつに多種多様です。患者さんから教えて戴くことがたくさんあります。それを実例で教えて頂きました。

たとえばプチシュークリームは痩せる目的には意外に良いとか、カレーライスはかなり不利とかですね。こうした情報をこれから共有し、豊かな食生活を築くことができれば良いですね。

最後に灰本クリニックの渡邉志帆さんがロールプレイングによる糖質制限食の管理栄養士教育の実際を発表されました。

なかなか見ごたえのある内容で、これからこうした実地シュミレーション教育が役立つと感心しました。

そのあと総合討論で皆さんからさまざまなご質問やご意見がでて、熱気につつまれた研究会になりました。

私は心臓外科医ですが、この会の活動や研究会を通じてじつに多くのことを学ぶことができ感謝しています。その成果は患者さんたちに直接還元できています。

来年もまた立派な研究会にしたいものです。

皆様、ありがとう、お疲れ様でした。


米田正始 拝

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。