難病の心臓手術について―難病だからダメというわけではありません

Pocket

◾️難病への心臓手術

.

難病の患者さんへの心臓血管手術はどのくらいできるのでしょうか?難病イコール治せない病気とは限りません。医学は日々進歩しています

医学が発展進化した現代でも難病はまだまだあり、多数の患者さんが苦しんでおられます。

医学医療の各分野でさまざまな取り組みがあり、私たちも専門家の観点から微力ながら努力して来ました。

心臓血管外科に関連した難病も少なからずあります。

厚生労働省の臨床調査研究分野対象130疾患の中でもいろいろな疾患に治療経験があります。

その一部を挙げます。

.

◾️サルコイドーシス。。。

.

この病気にやられるとサルコイド心として拡張型心筋症僧帽弁閉鎖不全症をおこします。
複雑な形態を示すことが多いですが、左室形成術僧帽弁形成術である程度以上、治せます。

心臓手術のあとの丁寧なフォローつまりアフターケアも大切です。→→もっと見る

.

◾️Budd-Chiari症候群(バッドキアリー症候群)。。。

.

下大静脈から心臓(右房) への血流が流れるようにすることで治せます。
ただし心臓手術までに肝臓が肝硬変となり機能しなくなっているとリスクが高くなります。場合によってはカテーテル治療もあわせて方針を立てるという柔軟な姿勢で臨んでいます。

.

◾️ベーチェット病。。。

.

ベーテェット病そのものは心臓手術では治せませんが、僧帽弁閉鎖不全症大動脈瘤を発症すればそれは手術で治せます。

組織が弱いため、相応の対策や工夫を行います。

内科の先生と協力したアフターケアも大切です。

.

◾️全身性エリテマトーデス (SLE) 。。。

.

この病気そのものを心臓手術で治すことはできませんが、二次的に起こる弁膜症などを人工弁などで治すことは可能です。

手術手技の工夫も大切ですが、その後のきちんとしたアフターケアも大切です。これには膠原病内科や内科の先生方と協力して長期の安全を図るようにしています。

.

◾️高安病(大動脈炎症候群)。。。

.

弁膜症大動脈瘤あるいは狭心症を発症すれば心臓手心臓や血管がやられる難病では心臓血管の定期健診を受けましょう術の適応となります。

組織が病気で壊れるため、縫いつけた人工弁や人工血管あるいはバイパスグラフトが不安定にならないうような工夫を行います。
大動脈弁が壊れればデービッド手術ベントール手術が役に立ちます
術後のステロイドなどのお薬による治療も術前同様、大切で、病気が進まないように、内科とくに膠原病内科の先生方とチームをつくって長期体制をつくっています。→→もっと見る

.

◾️バージャー病。。。

.

この病気は痛みが大変強いため、患者さんと向き合って治療に当たるものにとってはつらい残酷な業病でした。
bFGFによる血管新生・再生医療を開発し、これによってかなり治る病気になりました。(現在、中断しており準備中です)→→もっと見る

.

◾️肥大型心筋症 HCM、HOCM、IHSS。。。

.

肥大が左心室の出口を狭めるタイプ(HOCMまたはIHSS)では心臓手術は良く効きます。
経験がものを言う術式です。私たちはトロントのウィリアムズ先生直伝の方法で安定した成績を持っています。この手術で実績のある病院は少ないためご相談ください。→→もっと見る

左室の壁全体が分厚くなるHCMの中で、心尖部肥大型という、左室心尖部(先端部分)が筋肉で埋まるタイプも、心臓手術で治せるようになりました。この手術の実績がある病院はわずかですのでお問い合わせ下さい。→→もっと見る

.

◾️拡張型心筋症DCM。。。

.

難病の代表格の一つと言われています。あまり悪くなると人工心臓や心移植が必要となることがあるため、できるだけ先手を打って心臓を守る、できれば予防するという姿勢で臨んでいます。しかしいったん病気が進んで、左室がつよく拡張すれば心臓手術はむしろ効果的で成績も安定しています。
病気で壊れた左室部位によってバチスタ手術セーブ手術オーバーラップ手術ドール手術などを使い分けます。2012年から開始した心尖部凍結型の左室形成術は患者さんの体への負担が少なく、成績のさらなる改善が得られつつあります。→もっと見る

私たちのHGFをもちいた再生医療でも動物実験段階ではすでに治療効果を出しており、今後の実用化が期待されています。

.

◾️拘束型心筋症。。。

.

お薬も外科手術も容易ではない病気です。
左室形成術には適しませんが、弁膜症冠動脈病変が合併すればそれを治すことで比較的安全に左室を改善することはできます。

.

◾️原発性肺高血圧症。。。

.

現時点ではお薬などの内科治療が中心ですが、再生医療で動物では安全にかなりの改善が得られており、今後実用化を目指したく考えています。

難病をうまく克服し、あるいはコントロールし、元気に暮らせるようにしましょう

.

◾️難病への対策まとめ

.

難病でもそれに付随する病気は治せることも多々ありますし、完全治癒は難しくても、現状を守ることはできることもあります。

難病という言葉自体が良くない言葉と思います。治らないような印象を与えるからです。

難病と言われた患者さんにおかれましては、決して絶望されず、まず現実をしっかりと把握し、

専門家に相談し、病気と向き合い、時には病気と闘い、時には病気と仲良く共存し、

という粘り強い柔軟戦略が良い結果を生みやすいと思います。

.

  Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へに戻る

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

心臓手術前にカテーテル検査は必要ですか?―エコーが凌駕する項目も多い?【2020年最新版】

Pocket

最終更新日 2020年3月4日

.

◾️心臓手術に心カテーテル検査は必要?

.

心臓血管の手術の前に心カテーテル検査(右図)は必要ですか?と、よく聞かれます心カテーテル検査は有用ですが、心臓手術の前後には不要なことも多くなりました 

お答は:ケースバイケースですが、病気によっては不必要な場合も多いです。

その理由は次の通りです。

 .

◾️冠動脈疾患の場合

.

狭心症・冠動脈疾患バイパス手術(左図)を受けられる患者さんでは、

冠動脈をすみずみまで正確に把握しておくことが治療上きわめて重要かつ有用です。

なので心カテーテル検査の中の冠動脈造影にて十分な情報が得られますので、術前にこの検査を行うわけです。

 

オフポンプバイパス手術の出来上がり図この場合の心カテーテルは「診断カテーテル」と呼び、

細いくだが使えるため、手の動脈から入れる場合が多く、その場合は検査直後から歩くことができ、苦痛も少なくてすみます。

私たちの施設では熟練した循環器内科医がカテーテルを行いますので、安全性も高く比較的快適といえましょう。MDCTで楽に冠動脈が見られるようになりました。患者さんに大変喜ばれています

.

◾️弁膜症や心筋症などでは?

.

弁膜症心筋症あるいは胸部大動脈疾患の患者さんの場合は異なります。

冠動脈に病気 がないかどうか未然にチェックしておくだけであれば、

現在は MDCT (右図)という、高性能CT検査で、苦痛少なく直径1mm弱の血管まできれいに調べることができますので、術前の心カテーテル検査は不要になります。

 

もしMDCT検査で冠動脈に病気が見つかれば、安全のためにバイパス手術などを術中に併用することがあり、カテーテルにて冠動脈造影を行うことが多いです。

病気があり、それを治す分だけより元気になるわけですし、

患者さんもこうした場合の心カテーテル検査には納得・満足されることが多いです。

 .

◾️お若い患者さんの場合は?

.

心カテーテルには意外なメリットがありますまた若い患者さんなどで、放射線被爆量を少しでも減らすために、患者さんと相談の上、前向きな意味で心カテーテル検査をおこなうことがあります。

 

熟練した循環器内科医の先生方がされればMDCTより少ない被爆量で、しかも短時間で検査は完了しますし、上記の細いくだを腕から入れれば検査後も楽です。

 きちんと調べて良い治療を!

心機能や心不全の状態は、現在の高精度の心エコーと、MDCTの左室造影、そして必要に応じてMRI検査などの画像診断技術によって細部までわかります。

弁の逆流も、造影剤を使わない、より自然な状態で、苦痛なく、必要なら時間を追って繰り返し検査も安全にできますので、こうした画像診断を活用しています。

.

◾️心不全がらみでは?

.

SANYO DIGITAL CAMERA最近増えた心不全やそれによる弁逆流では、心エコー等によりそのメカニズムの詳細に迫る情報が得られることが多く、この意味からは心カテーテル検査をすでに凌駕しているとも言えましょう。

とくに心エコーは機動力にも優れ、エコロジーの視点でも優れた方法ですので、

手術室から入院中、外来、さらに遠方から来られた患者さんではその地域でも使えるため重宝しています。

欧米や日本のトップ学会が作成しているガイドラインも、心エコーのデータを基本にして造られているほどです。

 .

しかし術前に強い心不全肺高血圧症、あるいは右心系疾患がある患者さんの場合は、安全のため右心カテーテル検査を行うことがあります。こうした患者さんでは心エコーではわからないことがカテーテルでわかることが多いです。

これは静脈から入れるため、検査後の止血も短時間で済み、患者さんも比較的楽です。

 .

◾️心臓手術後の心カテーテルは?

.

心臓手術のあとはカテーテル検査不要のことが多いです術後は、通常は心カテーテル検査は不要と考えています。例外として冠動脈バイパス術後にバイパスや細かい枝の状態を確認するために検査することはときおりあります。

その他、稀な病気などを中心に何かとくに確認しようとか、念のためにポイントを絞って調べるなどのケースはまれにありますが、

すべて患者さんの納得を頂いてから行っています。

 

ということで、冠動脈疾患以外の多くの場合、術前には心カテーテル検査は不要と考えています。

ただ内科の先生方がケースバイケースで患者さんのために有用と判断され、心カテーテル検査を前もってやって下さった場合は、

その情報も積極的に活用し、努力の無駄がないように配慮しています。

.

◾️総じて、、

.

私たちの基本姿勢として、どれが良いとかどれが劣るという偏狭な議論ではなく、

それぞれの検査法の特長を活かし、

こだわりなくケースバイケースでその患者さんの治療に役立つ検査は行い、

やらなくても良い検査はいざという時のために温存して使わない、

というスタンスで臨んでいます。

.

Heart_dRR
お問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

 はじめての方へ へもどる

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

検査や心臓手術などの「待ち時間」につきまして―待たせて当然なの?

Pocket

検査や心臓手術その他の待ち時間はこれまで多くの病院ではある程度はやむを得ない、一部検査待ちはつらいですねの施設では待って当然という空気さえ強くありました。

 .

もちろんひとりの医療従事者として見れば、検査も心臓手術も人手が必要ですし、病気は待ってく れないため患者さんも時には多数が同時に来られることもあります。

かといってピーク時に合わせて多数の人員を24時間動かす態勢では大赤字になるよう現在の医療制度・保険制度は組み立てられています。

そこで大きなジレンマが生じます。

 .

私たちはこのジレンマを解決すべく、民間病院という比較的小回りの効く施設の特長を活かして、この待ち時間を減らすようにしています。

 .

小回りが効き足腰が強い病院が良い心臓外科を造りやすいのですたとえば心臓血管手術については、医学的に超緊急手術が必要な患者さん、たとえば急性大動脈解離とか大動脈瘤の破裂その他、「今すぐ、ただちに」オペが必要なケースでもこれまで多くは対応できています。

このことは病院のポリシー「緊急はできるだけ断らない」を職員全員が協力して実行してきたおかげと思います。

 .

同じ心臓血管外科手術でも医学的に少しは待てる手術の待ち時間が長いようでは患者さんを助けられない、そういう心臓病がいくつもありますもの、ものによっては数時間、あるいは1-2日、あるいは3-4日待てるケースにはそれに応じて数時間後とか翌日とか2日以内に心臓手術するなどして正しい医学にもとづく治療責任を果たしています。

たとえば心筋梗塞後の心室中隔穿孔不安定狭心症に対するバイパス手術、あるいは突然死の危険性が強い大動脈弁狭窄症その他が挙げられます。

この点が患者さんよりも院内勤労者の権利を優先せざるを得ない大病院、国公立病院とくにある種の大学病院などとしばしば異なる点で、民間病院が患者さん中心のポリシーを本当に持っている賜物と思います。

 .

病院での待ち時間が必要なことをきちんとやっている割に短いのは検査の場合も同じです。

心臓や血管が弱い患者さんが自宅と病院の間を何度も行き来しなければならないのは大変おかしいと思います。

少なくとも患者中心とは言えないでしょう。

 .

そのため私たちのコーディネーター・看護師・検査技師・放射線技師・病診連携・医療秘書)・事務の人たちの努力は大変なもので、権利だけ主張するのに慣れた人たちではできないレベルの手厚く高度なサービスと思います。

私のこれまでの経験から海外の立派な病院と比べてもそん色ないものです。

 .

心臓病では迅速な検査でこそ患者さんのお役に立ちます多くの場合、外来に初診(始めて)で来られる患者さんでも、

その場で血液、胸部レントゲン、心電図、心エコー・ドップラー、必要あれば新型のMDCTで冠動脈や大動脈の造影を行い、

それらの結果を見ながら、2-3時間後には患者さんにご説明し、一緒に画像を見ながら治療の方針を立てることができます。

 .

スピードだけでなくその精度が高いのも特長です。

やはり病院の基本方針や、チームの意識が高いことが大きいと思います。

必要ならば上記のようにそのまま入院・即、心臓手術ということもできます。

私が国立大学病院で長年夢見て努力しても叶えられなかった医療です。

そういう施設では一通り検査を行い説明するまで 3週間、3往復あるいはそれ以上の手間暇が必要なこともしばしばで、これは心臓病の病人に対する姿勢として大きな欠陥があると言えましょう。

 .

もちろんいくら職員皆で頑張っても、もし多数の患者さんが一度に来られる場合などは同じス良い検査・良い医療のために患者さんのご協力も大切ですピードで検査するのは難しくなります。

何事にも限界はあります。

そこで患者さんやご家族にお願いしたいのは、前もって電話一本入れていただき、コーディネーターと相談してお互いのスケジュール合わせを行うことです。

また私の外来の場合は医誠会病院(月曜日午後)と仁泉会病院(火曜日午前と午後)をうまく活用して頂くというのも一法かと思います。

それで無理なく快適でスピーディな検査や治療ができます。

 .

しかし病気によっては前もって相談することができないことは心臓や血管ではよくあります。

そうした急な病気の場合は遠慮なく救急外来に来て戴ければと思います。幸い医誠会病院の救急外来は受け入れ大阪ナンバー1を誇っているためお役に立つことと思います。

やはりその患者さんの状態に応じた対応がベストと思うのです。

 .

以上、待ち時間から心臓血管外科の医療を考えてみました。

.

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらまでどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へに戻る

.


◆参考ページ

心臓手術とはどういうもの?

そのこれからの方向

心臓外科の名医とは

心臓手術と言われたら?!

安全に必要な症例数は?

病院の立派さと心臓外科の立派さは別?

対象となる病気は?

医師の選び方

私のお勧めは?

術後の社会復帰について 

美容について

必要な検査

手術まえのオリエンテーション

米田正始が考案した心臓手術は

 

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

遠方の心臓手術患者さんの場合は―地元と連携し、より配慮を【2020年最新版】

Pocket

全国から患者さんが来て下さることを光栄に思います

最終更新日 2020年ん3月4日

.

◾️心臓手術と遠隔医療

.

心臓手術は普通は一生にそう経験することのない大きな出来事です。

 

それだけに良い病院や心臓外科名医を選んでどこへでも行きますというスタンスの患者さんは少なくありません。

 

とくに医療を良く知る医師やそのご家族にそうした方が多いのが病院選びの大切さを物語っていると思います。

私の場合は名古屋ハートセンター時代やかんさいハートセンター時代に沖縄、九州(福岡、鹿児島)や四国、広島、島根、京都、大阪、和歌山、三重、奈良、神戸、東京、千葉、茨木、福島、宮城、北海道、一部は海外その他さまざまなところから患者さんが来て下さり、それ自体医師として光栄なことと思います。現在の医誠会病院仁泉会病院でもすでに同じ傾向が見られ、アフリカ・コンゴやタイ、カナダなどからも引き合いがあり感謝しています。

遠方から来て戴く場合、交通費や時間などを含めてある程度のご負担は避けられませんが、来てよかったと言って頂けるよう、全力を上げています。

 

これは私個人だけでなく病院の他職員も同様に努力しています。

遠方の方へのご配慮としては以下を行なっています。遠方から来て戴く負担を上回るメリットが患者さんにもたらされるように努力しています

.

◾️心臓手術、遠方へのご配慮1.

.

ご自宅と病院の往復回数をできるだけ減らすよう、必要な検査等は集中的に行い、また 地元の病院のデータも活用します。なるべく無輸血にするため、手術の工夫に加えてご希望があれば自己血を貯血します。3−4回の貯血のうち2回を検査入院で完了するなどして負担を減らしています。

 

このとき、検査等を患者さんのご希望を極力実現できるよう、私たちの特長であるコオディネーターを熟練看護師が担い、かつ病院の足腰の強さを活かして工夫します。

 

ある種の大病院のように初診に検査に説明にと何度も行き来するよりも、多少遠方でも一回で効果的に検査と説明ができる方が負担は少ないですとよく言って頂いています。

.

◾️心臓手術、遠方へのご配慮2.

.

遠方の患者さんほど、十分な運動・心臓リハビリをこなしてから、退院していただくようにしています。

 

通常は心臓手術のあと1-2週間程度で退院患者さんの家庭事情や病院への距離なども考えて退院や通院の予定を立てますできるケースが多いのですが、遠方の患者さんの場合はご本人やご家族と相談しつつプラス1-2週間の余裕をつけて戴いてから退院して頂いています。

 

状況によっては地元の病院と相談し、そこでさらに1週間ほど運動・リハビリののち帰宅していただくなどの方法も取ります。

.

◾️心臓手術、遠方へのご配慮3.

.

心臓手術直後は近くの患者さんの場合はしばらく当院外来にて診察・検査・投薬を行い、

 

落ち着いた段階でかかりつけ医にもどっていただくか、

 

もともとかかりつけ医がいない場合は協力して地元で良い先生を探すようにしています。

病病連携や病診連携を大切にします 

 

遠方の方の場合は身体の状態を見ながらそのタイミングを考えるようにしています。

 

また遠方のハンデを減らすよう、ちょっとした質問でもできるよう、メールなどで私自身が対応できるようにしています。

遠方の場合ですから地元の病院を大切にし、当院入院中は経過の報告を入れたり、退院時にも詳細なデータをお送りし、地元に戻ってから患者さんが大切にされるよう配慮しています。

 

地元の先生から見れば、心臓手術のみ外注に出したという感覚になるように努めています。

 

昔の学閥や医局制度が強かった時代ならいざしらず、現代は患者さんが満足できればこだわりなく患者さんの希望に応えるのが立派な臨床医の普通の姿です。

地域医療と専門医療の協力も大切と考えます.

◾️心臓手術、遠方へのご配慮4.

.

何よりも地元の病院でできない心臓手術を、あるいは同じ手術でもより安全に行うよう努めて います。

 

それが必要な状態なのに、地元の有力病院で断られて私どものところへ来られるというパタンが多いですが、より良いものをもとめて来院くださるケースもあります。

 

なお医誠会病院につきましてはこちらを、仁泉会病院につきましてはこちらをごらんください。

 .

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらまでどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

よく戴くご質問のページにもどる

はじめての方へ

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

1)Q: 安心して心臓血管手術を受けるためには、どれくらいの症例数が必要でしょうか?

Pocket

症例数や手術数は有用な情報ですが、落とし穴に注意するひつようがありますA: 心臓血管外科医個人の症例数として年間最低100例、理想的には200例を目安と考えればよいでしょう。

年間実績のほかに注目したいのは、医師個人の通算 (累計)実績数です。

大手術・難手術などを安全にこなすには少なくとも通算1,000例は欲しいです。

名医やスーパードク ターと言われるひとたちは数多くの経験を重ね反省・検討することで、さまざまな状況に対して即座に適切な手を打てるからです。

心臓手術の技術や治療の質を上げるためには量(つまり症例数)が伴うという面があります。

このことは欧米・豪州はもちろんアジアも含めた世界の常識になっていますが、なぜか日本だけは遅れています。

 

しかし一部の先駆的な人たちの努力のおかげで最近は症例数の重要性がメディアなどである程度認識される方向にはあります。

それを意識してか、心臓血管手術の症例数を病院グループの合計で発表しているところもあります。

これはその病院そのものの実績とは違います。

患者さんにとっては誇大広告で有害です。

同様にステントグラフト(カテーテルで人工血管を大動脈瘤の中に入れます)の数もカウントしていることがあり、これもその病院の心臓外科手術の実力とは違うため、注意して読む必要があります。

 

意外に見落とされる重要ポイントとしては一人あたりの症例数があります。

全体としてまずまずの例数があっても、そこに多数の心臓血管外科医がいる場合、個々の医師はあまり心臓手術にタッチしていないわけで、安全上は好ましいことではありません。

たとえば年間200例の心臓血管手術をこなしていても、医師の数が10人とか15人ではひとりあたりはほとんど無いのも同然となります。

治療の内容が大切です

心臓血管外科では症例数以外では、手術死亡率という判断基準があります。

当然、低いほうが望ましいです。

ただ、患者さんの状態とか疾患の程度などでリスクが変わりますから、 緊急や重症の手術を主に手がけている病院や心臓血管外科医では、その率が高まります。

逆に、簡単な心臓手術を主にやれば死亡率は一見低そうに見えます。

それらを考慮した真実を知るにはどうすれば良いでしょうか。

これを解決するのがリスク補正と全国データベースです。

次ページ(JACVSD)をごらん下さい。

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

7. 病院や医師の選び方 (セカンドオピニオンも含めて)にもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

Q: 心臓手術前のインフォームドコンセントでは、どんなことを聞けばよいの?

Pocket

Q: 心臓手術前のインフォームドコンセント(略称IC)では、どんなことを聞けばよいのでしょうか?

.

インフォームドコンセントは患者さんにとって大切ですA: まずは、その心臓外科医個人や病院のこれまでの実績を聞くことです。

昨今はさまざまなデータを用意している病院や施設が多いので、それらのなかから、関心のある項目について、詳しい説明を受けることです。

.

インフォームドコンセントの際には、自分の受ける心臓手術に対する世間一般の成績と個人もしくはチームの成績の2つを尋ねてください。あるいは日本や世界のデータベースでの予測死亡率とその病院での実死亡率を聞いて下さい。

そうすれば、その病院または施設の水準を推し量ることができるでしょう 。

 .

次に、心臓手術に対して、内科的治療を選択した場合の予想される成果について尋ねてください。

この場面で、手術に対する優位性や安全性などの利点も説明されると思います。

.

そのうえで、内科的治療よりも心臓手術のほうが良いと医師が確信する理由を尋ねてください。

理解し納得ができてこそ、文字通りインフォームドコンセントです。

.

なおご家族というよりファミリー全員の納得が大切ですので、インフォームドコンセントのときにはご足労ではありますが、ファミリーの主な方々に参加して戴くことが良いでしょう。

そして何でも遠慮なく聞いてください。

皆でちからを合わせて心臓手術を乗り切る、元気になるために、こころが一つになることは極めて重要です。

 .

7. 病院や医師の選び方 (セカンドオピニオンも含めて)にもどる

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

.

 .

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

7)Q: 心臓手術の対象となる代表的な病気と現状は?【2020年最新版】

Pocket

最終更新日 2020年3月5日

.

A: 心臓手術の対象となる代表的な病気として挙げられるのは「虚血性心疾患」「弁膜症」「心不全」「大動脈瘤」 「先天性」の5つ です。

心不全のなかに心筋症も含まれます。

CABG.

◾️「虚血性心疾患」

.

を対象とする冠動脈バイパス手術では、人工心肺を使わないオフポンプバイパス手術が中心。

用いるグラフトの選択が肝心です。

 .

動脈グラフトはうまく使えば大変有効ですが、なんでも動脈グラフトにすると時に無駄遣いが生じ、将来新 たな病変が起こって万一の再手術のときに使える動脈がないということも起こります。

やはりその患者さんの状態に応じたキメ細かい対応が大切でしょう。

 .

◾️「弁膜症」で

.

心臓手術が必要といわれた場合、僧帽弁閉鎖不全症では、熟練チームならほとんどのケースで弁形成手術が可能です。

MVP completed大動脈弁閉鎖不全症でも弁形成できることが増えました。とくに二尖弁では一流病院では弁形成が主体です。

 .

弁形成手術が難しい場合、60~65歳以上の方や、若くても妊娠出産や激しいスポーツを希 望される方にはブタやウシで作った生体弁による弁置換手術という選択もありワーファリンが回避できます。

そのためにも心房細動を極力治すようにします。

.

大動脈弁狭窄症も手術か、カテーテルによるTAVIという治療で治せる病気です。

大動脈基部拡張などでは、デービッド手術が、とくに高齢者などのばあいはステントレス弁などが活躍する事例もあります。

 .

わたしたちは弁膜症にミックス手術(MICS手術、小切開低侵襲手術)あるいはポートアクセス法という創の小さい、体にやさしい方法を、安全性を確保しつつ積極的に使っています。

術後の苦痛を減らし、社会復帰を早め、美容上のメリットというおまけがついてきます。

 .

◾️「心不全や心筋症」で、

.

薬物療法よりも明らかに有効 と考えられる場合には原因治療(たとえば虚血にはバイパス手術など)および左室そのものには左室形成手術を行います。

LVRこの手術には、バチスタ手術ドール手術セーブ手術オーバーラップ手術などがあります。これらが安定してできる病院は少ないです。私たちはそれらに加えて、より低侵襲な心尖部凍結型左室形成術で成果を上げています。

適宜、両室ペーシング(略称CRT)や僧帽弁輪形成術乳頭筋吊り上げ術を併用します。

 .

重症では普通の心臓手術よりもリスクが高まるため、その利点と弱点を慎重に見極めることが大切です。

また患者さんの安全性を最大限に高めるため、ポイントを絞ったコンパクトな手術操作をこころがけています。

これにより、かつては超ハイリスクと言われた患者さんでも高い成功率を上げることができるようになりました。

 

また閉塞性肥大型心筋症(略称HOCM)、心室中部閉塞性肥大型心筋症、心尖部肥大型心筋症もそれぞれ術式が進歩し、安定した成績が出せるようになりました。

 .

TAAandSG◾️「大動脈瘤」のうち、

.

上行大動脈瘤や弓部大動脈瘤の 治療成績は心臓外科手術(弓部大動脈全置換術など)のほうが良いのですが、

より広範囲の場合には、内科や血管外科の先生方 と協力して、カテーテルで行うステントグラフトEVAR)との 使い分けや併用を行います。

.

大動脈基部再建手術ではデービット手術などの自己弁温存術式や、

年齢によっては、生体弁によるインクルージョン法(ミニルート法)生体弁または機械弁ベントール(ベンタール)手術が長期的に有利というケースも少なくありません。

 .

MICS3 ◾️「成人先天性心疾患」には

.

さまざまな病気があります。

心房中隔欠損症心室中隔欠損症動脈管開存症右室二腔症<エプシュタイン病<修正大血管転位症肺動脈弁狭窄症左室緻密化障害

あるいは先天性僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁二尖弁のための大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症、大動脈弁下狭窄症IHSSなどさまざまな病気があります。

これらの多くは心臓手術で治せるか、改善が図れます。

.

比較的若い患者さんが多いことを配慮し、私たちはMICS法(ミックス手術)ポートアクセスで小さい創で、術後の苦痛や心の傷を減らし、早い社会復帰を図るようにしています。

(図の左側が従来の手術法での手術創、右側がミックス法のときの創です)

.

以上、心臓手術の対象となる主な病気群5つを解説いたしました。

.

◆ 患者さんの想い出:

Aさんと初めてお会いしたのはトロントの病院で私が当直していたときのことです。心筋梗塞を患われ、心臓の中に穴が開いた状態(心室中隔穿孔、VSP)でした。ただ70代と当時としてはややご高齢で、それ以上に全身の状態が悪く、とっておきのVSP用の心臓手術(エクスクルージョン法、いわゆるDavid-Komeda法と呼ばれる手術)でも体が耐えられなければ生きられないため私も迷いがありました。

心臓手術が成功するためには手術操作をきちんと行うだけでなく、患者さんが体力でもってそれを乗り越えて下さることが必要なのです。

そこで当時のボスであるデービッド先生に相談しました。患者さんを診察してから検討しようということになり、一緒にICUに行きました。

その途中でAさんの娘さんが廊下に飛び出してきて、デービッド先生、私のお母さんを助けて!と泣きついたのでした。

そのあとしばらくしてデービッド先生は「手術をしよう!」と決意しました。

心臓手術は一緒に開発した心筋梗塞除外術という当時はまだ誰も知らない方法でしたが、見事に決まり、患者さんは笑顔で退院して行きました。娘さんが喜んで下さったのは言うまでもありません。

心臓手術の素晴らしさと醍醐味を心底味わった一例でした。今からもう25年近くも昔のことですが、生涯忘れない、そして生涯私を支えてくれる感動のひと時でした。

 

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらまでどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

7. 病院や医師の選び方 (セカンドオピニオンも含めて)にもどる


◆参考ページ

心臓手術とはどういうもの?

そのこれからの方向

心臓外科の名医とは

心臓手術と言われたら?!

安全に必要な症例数は?

病院の立派さと心臓外科の立派さは別?

医師の選び方

私のお勧めは?

術後の社会復帰について 

美容について

必要な検査

術前のオリエンテーション

米田正始が考案した心臓手術は

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

心臓手術―特殊な臓器、特別な配慮と努力が患者さんのために必要【2020年最新版】

Pocket

最終更新日 2020年3月1日

.

◾️心臓手術、他臓器の手術との共通点は

.

心臓手術の分野も他分野たとえば胃腸 209142436や肺や脳の外科と共通することが多くあります。

これから治す臓器に何か良いことができるからこそ、意義や利点が患者さんに対してあるわけですが、同時にいくら良いことをすると言っても、そのために皮膚を切ったり、薬で寝かせたり、多少とも出血させたりとマイナス点も多くあります。

これはどの臓器の場合にも共通しています。

.

◾️心臓手術、他臓器の手術と違う点は

.

以下が挙げられます。これがすべてではありませんが。

 

 1.心臓はジョギングhealth_0098他の多くの臓器のように一時お休みが成り立たないこと。

 短期間でも休んでしまうと脳その他の臓器に致命的な 打撃を与えかねないこと。

そのため心臓手術で一時心停止するときは人工心肺(体外循環とも言います)を使う必要がある

 .

2.その人工心肺や出血しやすさのため、侵襲(しんしゅう、つまり体への負担)が大きい こと。

とくにこれを使うためには血液が固まらないようにする薬(ヘパリン)を使うため、他の外科より厳重な出血対策が必要となる

 .

3.他の多くの臓器や組織のように、切除だけで済まないケースが多く、ほとんどの場合、再建つまり作り直すことが必要

1.とあわせて、作り直せなければ即死亡につながることが多い心臓外科では短時間に確実に心臓を再建することが必須です

 .

4.1.のため時間が限られる場合が多く、確実さとスピードの 両方が求められる

それらがなければ破綻を来し死亡リスクが高くなる

 .

 .

こうした特徴から、心臓血管手術では確実さとスピードを持つことが必須となります。

そのために熟練や日々の考察・勉強・準備・基本練習などが求められます。半端な腕では患者さんに迷惑となるわけです。

 .

◾️心臓手術で数(熟練度)が大切なわけ

.

「数」が心臓血管外科で特に強調されるのは上記のためです。

経験した症例数が少なければ、手の動きもそれを支える頭の動きも鈍くなりがちで、さらに1000回に1回という稀な問題に出くわしたときに、とっさの解決が図りにくくなります。

 .

心臓血管外科を立派にやるためには質と量の両方が必要ですただ数さえこなせれば良いというのではないのですが、質を伴った数(量)が極めて大切というのが世界の常識です。

.

欧米や豪州はもちろん、中国・インド・台湾・韓国・タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシアはじめアジアのほとんどの国々でもこの常識はすでに当然のことになっており、欧米式の医療制度(一病院あたり年間1000例以上の心臓手術をたかだか10名以下の医師・修練医とあとはコメディカルで行う)や教育研修制度が根付いています。

 .

◾️心臓手術の「数」、日本の課題は

.

残念ながら日本では Illust193大学を中心にまだまだその世界の常識がわからない方が多く、わかる人たちだけががんばるという構図が進んでいます。

また病院によっては「数」は多くても、外科医の数も多く、一人当たりの「数」が少ない、という問題もあります。

ハートセンターなどの専門施設がその突破口を開けた感がありますが、同時に心臓以外が弱い(たとえば胃腸などの消化器や脳神経など)という課題も見えて来ました。民間病院とくに総合病院的な良さや救急病院の足腰をもつ施設はこの世界の常識を真摯に追求しやすい環境があり、この国の循環器医療をもっと良くするという気概をもって日夜努力しています。

 .

◾️心臓手術、患者さんの視点から

.

また患者さんの視点からは、上記の1.2.のため、一時的に体力や臓器の力さえしばし術前より悪化することがよくあります。

ca010a-sそこを乗り切ったあとは心機能が良くなったのを受けて、全身の体力なども改善していく場合が多いです。

 .

そのため、心臓手術では患者さんにある程度の体力が残っている状態が必要です。

体がぼろぼろになるまでに、つまりまだある程度お元気なうちにできれば治しましょうというのはそのためです。

 .

実際、超重症の患者さんの場合、心機能はかなり良くなったのに全身の体力が持たずに結局涙を飲んだつらい思い出が何度もあります。

全身の状態が悪い患者さんはオペしなければ良いという「安全管理」の考えが最近世上で増えていますが、それは助かるかも知れない患者さんを単に見捨てているだけともいえるため単純には賛同できません。

真の安全管理は患者をいかにして守るかというところから生まれるものと思います。

 .

 

Ilm09_al07018-s bもちろん考える時間もなく、急に危篤状態になるタイプの病気では患者さんも悪くなるまでに病院へ行こうというわけは行きませんが、

慢性の心臓病ではある程度体力があるうちに心臓手術を乗り切るという考え方はしばしば患者さんを救います。

 .

◾️心臓手術、医師と患者さんのコミュニケーションが大切なわけ

.

それもあってそうした理解と患者ー医療者の間の緊密なコミュニケーションが大切なわけです(要するにどしどし相談!です)。できれば聞きたいことを前もって箇条書きにでもメモしておき、どんどん質問頂ければお互いに役立ちます。

オペのあと病気の悪循環が断ち切れた患者さんはずいぶんお元気になられ、もとの年齢や病気の内容にもよりますが、長年お元気に暮らされる方が多いです。

つまり頑張りがいのあるケースが多くあるわけです。

IMG_0754b .

◾️心臓手術、最近の流れは

.

さらに、心臓手術を患者さんにとって、よりやさしいものにしようとする努力、いわゆる低侵襲手術、ミックス手術(MICS)ポートアクセスなどが進歩を続けています。

.

左写真はその目立たない傷跡の一例です。痛みも少なく仕事復帰やクルマ運転再開も早いのです。

.

慣れた手で慎重に手術すれば従来の大きな傷跡の手術と安全性でも遜色なくなりました。

これからの展開にご期待ください。

.

Heart_dRR
心臓外科手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

「心臓手術を」と言われたらのぺージへ

はじめての方へ のページへもどる

.

◆参考ページ

心臓手術とはどういうもの?

これからの方向

心臓外科の名医とは

さあ手術と言われたら?!

安全に必要な症例数は?

病院の立派さと心臓外科の立派さは別?

対象となる病気は?

医師の選び方

私のお勧めは?

術後の社会復帰について 

美容について

必要な検査

術前のオリエンテーション

米田正始が考案した心臓手術は

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。