ミックスによるメイズ手術―切り札がより身近に? 【2022年最新版】

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最終更新日 2022年2月4日

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◾️ミックスの展開

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ミックス(MICS、小切開低侵襲心臓手術、代表例はポートアクセス)が

患者さんに喜ばれています。

MICS3 僧帽弁形成術三尖弁形成術

あるいは僧帽弁置換術にミックス法は大変役立っており、

安全性を確保しつつ、心臓手術の質を落とさず、

術後の苦痛軽減・早い社会復帰や少ない輸血とともに創が小さくみえにくいというメリットが喜ばれています。

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◾️そしてミックスのメイズ手術

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上図で左側は従来の胸骨正中切開のときの創、右側はミックスのメイズでの創です。

最近はさらに創が小さくなっています。

143069344

胸骨正中切開は安定した、良い方法なのですが、

骨をいちど切る必要があるため、

完全に治るまでに2-3か月かかるのが弱点です。

皮膚や筋肉だけなら1-2週間でほぼ治りますから社会復帰が早くなるのは当然かも知れません。

私たちはミックス手術には肋間神経ブロックも併せて行うため、

術後の痛みが少なく、それが回復をさらに速めているように感じます。

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◾️弁膜症手術+メイズ手術もミックスで

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弁膜症手術と同時に心房細動に対するメイズ手術もミックス 142148374で行っています。

僧帽弁や三尖弁の手術ができる以上、メイズ手術も当然できるのですが、

実際にやってみるとその良さがさらに際立ちます。

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メイズ手術そのものは左心房の内側から冷凍凝固法をもちいて、完全メイズ手術を意識した形で行い、冠静脈洞の心外膜側も処理をして、よりしっかりと除細動ができるようにしています。

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2012年4月の日本不整脈外科研究会で発表しましたが、9例での除細動率は100%でした。

必要に応じて右房側のメイズも行います。冷凍凝固法では食道その他合併症もこれまでありません。

心臓手術・事例:視野出しがちょっと難しいポートアクセスの僧帽弁形成術とメイズ手術)

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139373093◾️どんな患者さんにミックスのメイズ手術を?

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現在のところ、オペの適応は不整脈の薬が効きづらく、

内科のカテーテルアブレーション(カテーテルの先端につけた電極で熱により悪い信号をブロックします)が不成功であったりできなかったりという患者さんに行っています。

また近年注目を集めている心房性機能性僧帽弁閉鎖不全症に対しても心房縮小メイズ手術を弁形成と同時にミックスで行うとより良い状態になると期待されています。

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近い将来、オフポンプ小切開メイズ(内科とのハイブリッド手術です)が実用化するまでは

このミックスでのメイズ手術がお役に立ちそうですし、

その後も患者さんによっては良い適応となるケースがあるかも知れません。

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◾️孤立性心房細動(ローンAF)へのミックスメイズ手術

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IMG_0565b心房細動単独、つまり

いわゆるlone AFと呼ばれる病気に対するMICSメイズの手術事例を供覧します。

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写真はミックス(MICS)でのメイズ手術の6か月後の創です。

カテーテルアブレーションを2回受けても治らなかった心房細動がきれいに治って喜ばれました。

わたしたちのLSH法とよぶ、副次創を最小限におさえる方法でメインの傷以外の傷跡は1つだけです。普通のMICSよりもより目立たなくなります。

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乳腺を持ち上げても傷跡はあまり目立ちませんので、普通の状態ではほとんど見えません。

患者さんの肉体的・精神 Ilm16_aa02003-s的負担を軽減するためにも役立っているようです。

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◾️心房細動は怖い病気です

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心房細動は野球の長嶋さんやサッカーのオシムさんの例を見るまでもなく、

予後が悪い病気で、その悪さは最近まであまり知られていませんでした。

これからはきちんと治し、

あるいはコントロールすることで健康な生活を守れるようにしたいものです。

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患者さんの想い出はこちら

 

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参考ページのIndex:

MICS(ミックス手術)とは

  とくにポートアクセス手術とは
  
  その位置づけ
  
  それが前向きに安全な場合
  
  美しいLSH法とは
  
  かかる費用は?

ハートポートとは
  


危険なの

  
  それと術後の痛み軽減について
  
  社会復帰が早いわけは?
  
  美容について
  
  胸骨「下部」部分切開法とは
  
ビデオ ポートアクセス法による僧帽弁形成術
  
ビデオ 連合弁膜症のご高齢患者さんへのミックス法・3弁手術
  
僧帽弁

  ミックスによる弁形成

  同、弁置換

  ポートアクセスによる弁形成術

三尖弁

  ミックス法による弁形成術

患者さんやご家族からのお便り

お便り43 がんの手術後に心臓腫瘍がみつかった患者さん

お便り46 遠方からご自分の信念で来院下さった患者さん

お便り54: ポートアクセス法で弁形成術を受けた若者患者さん

お便り59: 被災地支援へ!同法の弁形成を受けられた患者さん

お便り62: ミックスの弁形成と冠動脈バイパス手術を受けた患者さん

お便り63: ポートの複雑僧帽弁形成術を受けられた患者さん

お便り65: 同法による弁形成で元気になられた患者さん

お便り68: 同法の弁形成術を受けたバーロー症候群患者さん

お便り72: 二弁置換とメイズ手術をミックスで受けた患者さん

お便り73: リウマチ性連合弁膜症と心房細動を同法手術で克服

お便り74: ポートアクセスで弁形成術とメイズ手術を受けた患者さん

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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日本ローカーボ食(糖質制限食)研究会に期待します

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この5月に日本ローカーボ食研究会が立ち上がりました。ローカーボ(糖質制限食)とはご飯や麺類、パンなどの炭水化物をうまく減らした食事のことです。

メタボ全盛の現代、患者さんの健康を守るには適切なダイエットが必須であることはこれまでも多くの方々が考えて来られたことです。

Ilm09_ag04009-s 私は心臓血管外科の専門医で、これをライフワークとして、ひとりでも多くの患者さんをお助けすることにちからを入れてまいりました。たとえ他の病院でダメと言われたかたでも、自分たちの経験上、助かる可能性がある程度以上あれば、救命努力して来ました。京大病院でも豊橋ハートセンターでも名古屋ハートセンターでも、多くの方々のご協力のおかげで、多くの患者さんのお役に立つことができ、その都度、患者さんや周囲の方々の頑張りから感動を頂いて、また次の心臓手術や治療への糧にしてきました。

しかしメタボはさまざまな生活習慣病の原因です。糖尿 Ilm19_ca03020-s 病、高血圧、虚血性心疾患腎臓病血管病動脈瘤弁膜症心不全、など枚挙にいとまがありません。手術や薬だけ頑張ってもメタボ対策を立てないと、本当に患者さんをお助けしたことにはならないと痛感していました。

そんなとき、名古屋で実力派の開業医・灰本元先生と偶々出会い、そこでの勉強の中から、ローカーボ食(糖質制限食)の研究会を立ち上げようというお話を聞き、ぜひやりましょうということになりました。内科医の中村了先生、漢方医学の安井広迪先生、生物学の加藤潔先生、老年科の井口昭久先生といった、多彩かつ多才な先生方とともに、準備を進めてまいりました。また灰本クリニックの栄養士・笹壁さんやコメディカルの方々の積極的参加がこの会のバランスを一層優れたものにしていると思います。

ローカーボ食(糖質制限食)のユニークさや利点はこのホームページのローカーボダイエットのページや、立ち上がった日本ローカーボ食研究会のホームページをご参照いただくとして、これからこの食事療法をもっと科学的に解明し、正しい情報や方法を啓蒙していくことが必要と考えています。

というのは世の中のダイエット法には商業主義に走ったものや、中には危険な民間療法のようなものまであるため、それらと一線を画し、多くの患者さんの治療に役立つ、一般の方々のメタボ予防にも役立つ、医学的・科学的で安全安心なものを確立する必要があるからです。

Cj009b-s また開業医の先生からや内科・内分泌代謝内科・循環器科・老年化その他の先生方や製薬業界の方々の積極的なご参加が必要です。それによってこのローカーボ食(糖質制限食)という医学的方法は正しく成長し、人類に貢献するレベルに達すると信じるからです。

しかし現実は、ローカーボ食(糖質制限食)によって、たとえば糖尿病や高脂血症が大きく改善し、薬の売り上げが減るなどといった近視眼的な見方も一部にあるようです。それは本末転倒であり、患者さんが元気に長生きできるようになって初めて医療も製薬業界も長期的な繁栄があると信じます。

こうしたことを踏まえ、日本ローカーボ食研究会では勉強会・研究会開催とともに、ホームページなどで世界の医学論文を紹介したり、さまざまな建設的議論を通じて医療関係者や一般市民にまで情報提供を行う予定です。

皆様の積極的なご参加やご支援をお願い申し上げます。

(追記: この研究会のHPに私のブログが掲載されました。ご参考まで)

 

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執筆:米田 正始
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Syntax研究3年の結果と欧州のガイドライン―守られていない?

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Cover 欧米の主要施設が協力して、

重症冠動脈病変(3枝病変や左主幹部病変)に対して

薬剤溶出性ステント(DES)を使用するカテーテル治療(PCI)と

冠動脈バイパス手術

どちらが良いかを検討されています。

 

これが有名なSyntax(シンタックス)トライアル(研究)です。

同じ病気に2つの異なる治療法があるとき、患者さんは迷います。

 

正確なデータが必要ですが、まだまだ不十分です。

また患者さんが最初は循環器内科を受診されるため、

外科の治療(冠動脈バイパス手術)を知らずにPCIを受ける傾向が強いと言われています。

 

そこで欧米の85施設が協力して、

3000人を超える重症狭心症患者さんのデータを調べ、

どういうときにどういう治療法が適切かを調べたのがSyntaxシンタックス研究です。

 

Allcausedeathこの研究が始まってちょうど満3年が経ちました。昨年(2010年)のことです。

少しずつ差が見えてきました。

 

  まず3年の総死亡率は両者で明らかな差はありません。

 

これはがんその他を含めたすべての死亡率で、予想されたことですが

、冠動脈バイパス手術は3年間で6.7%死亡と、

PCIの8.6%死亡よりやや良好な傾向を示しました。

 

もともと短期間の差がでにくい領域のため、もう少し長期のフォローアップが必要と考えられます。

 

MACCE3yrsLow 心血管や脳血管の大きな合併症の発生(略称MACCE)について、

冠動脈病変が比較的単純で軽いケースでは両群に差はありませんでした。

左のグラフです。

 

つまり冠動脈硬化が比較的軽いときは

PCIで良いというわけです。

左のグラフのように、簡単な病変ではPCIは良くこなせるという結果です。

むしろ侵襲(体への負担)が小さい分だけ有利といえます。

 

MACCE3yrsIntermediate ところが、

冠動脈病変が少し複雑になると、様子が一変します。

冠動脈バイパス手術はPCIより合併症がおこりにくく、良好な成績を出しました。

右のグラフです。

やはり複雑な病変では冠動脈の破壊が強く、

傷ついた動脈を金属で広げて使うことの不自然さと弱さを感じます。

冠動脈バイパス手術では冠動脈より動脈硬化が少ない内胸動脈を使うため、

それだけ改善効果が期待できるのです。

 

MACCE3yrsHigh さらに冠動脈病変がうんと複雑になると、

バイパス手術はPCIを大きく上回る成績を見せました。

左のグラフです。

こうした複雑な冠動脈病変をもつ患者さんには

冠動脈バイパス手術が安全上有利であること

があらためて示されたわけです。

 

これは多くの臨床医の印象と合致し、

バイパス手術で動脈硬化が起こりにくい内胸動脈グラフトを使用するおかげと考えられました。

 

そういうことで、まとめとして、

複雑な冠動脈病変をもつ患者さんで3年間のMACCEでは

冠動脈バイパス手術がPCIより優れているというデータです。

GuidelineCABGvsPCI逆に、冠動脈病変が簡単なときは、

両群の差が少なく、

PCIが活躍し得るというわけです。

 

  この結果をうけて、

ヨーロッパ心臓協会(ESC)と

ヨーロッパ心臓胸部外科学会(EACTVS)で

ガイドラインが造られました。

 

もちろん内科と外科が協力してのことです。

左の表で、CABG(冠動脈バイパス手術)のところの多くが1Aです。

表にあるほとんどの状況でバイパス手術が推薦されていました。

たとえば左前下降枝の中枢部の狭窄では

一枝病変でも二枝病変でも冠動脈バイパス手術の適応と謳われています。

その他三枝病変や左主幹部病変でもバイパス手術を勧めると結論しています。

 

GuidelineDM つぎに、さまざまな状況別に検討がされました。

たとえば、糖尿病を背景にもつ患者さんでも

冠動脈バイパス手術が推薦されていることが多かったです。

糖尿病があると、冠動脈は一層悪くなる一方、

内胸動脈はその良好な内膜の状態が維持されやすいため、

両群でよりおおきい差がでるのでしょう。

 

CKD(慢性腎機能不全)を背景にもつ患者さんの場合も同様で、

バイパス手術とくにオフポンプバイパス手術が推奨されることが多くありました。

GuidelineCHF

 

心不全のある患者さんでは

昔から冠動脈バイパス手術が安全と言われてきましたが、

今回の検討でも推奨されています。

 

このように薬剤溶出性ステントを使用するカテーテル治療(PCI)ができても、

重症例・複雑例では冠動脈バイパス手術がガイドラインとして勧められているのが2010年のSyntaxシンタックス研究の結果です。

 

日本ではこうしたデータは顧みられず、

PCIが行われ続けていますが、

今後、学会などでもっと話し合いベストの治療を選ぶ方向性が検討されています。

 

狭心症の患者さんも、ご自身の安全のため、

複数の医師から意見を聴くなどの慎重な姿勢が勧められます。

 

メモ: 2011年にはSyntax研究4年のデータが出ました。外科の冠動脈バイパス手術で患者さんがより長生きできることが示されたのです。こちらをご覧ください。

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執筆:米田 正始
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医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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事例: デービッド手術を受けたマルファン症候群の患者さん―安心生活へ

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マルファン症候群の患者さんは結合組織が弱いため、

大動脈や弁がしばしば壊れます。

また同じ原因で目が強い近視になったり背骨が曲がったりすることがあり、

きちんとした予防や定期健診などによる早期発見、早期治療が大切です。

また日頃から勉強や相談をして病気の理解に努め、

いざという時に備えることが長期の安全に役立ちます。Ilm16_ad03009-s

 

次の患者さんも定期健診の中から、次第に大動脈の基部が拡張し、

ガイドラインを満たすサイズになったところで

十分な医学的準備と心の準備のもとに心臓手術を受けられ、

心配を解決し、妊娠出産などの人生の次のステップへのスタートとされました。

 

PreopCT 患者さんは34歳女性でマルファン症候群のため脊椎側彎をもっておられます。

大動脈基部が次第に拡張し直径50mmに達したこと、

さらにそのために大動脈閉鎖不全症が起こりつつある状態から

デービッド手術という患者さんご自身の大動脈弁を温存する大動脈基部再建手術をすることになりました。

 

最近結婚され、妊娠出産をご希望という事情もあり、

デービッド手術のあとなら大動脈解離などが起こりそうな部位もなく、

かつワーファリンも不要なため、

じっくり相談の上、このタイミングで手術することになりました。

手術では、体外循環・大動脈遮断下に上行大動脈を横切開し、

 
PreopEchoLAx 大動脈弁が3尖とも長期間使えるだけの質を持っていることを確認し

デービッド手術に適していることを確認しました

(手術写真は準備中です)。

 

まず大動脈弁輪のすぐ下に糸をかけ、

人工血管が弁輪をも守れるようにします。

人工血管に微調整の切れ込みを入れてから大動脈基部の外側へ落とし込みます。

サイズの調整を正確に行い弁の構造に無理がかからないようにします。


人工血管の内側で3つの交連部を適切な高さに吊り上げて、これを固定します。

そして弁のすぐ近くの大動脈組織を人工血管に隙間なく縫い付けて弁の再建は完成です。

水テストや心筋保護液注入テストで弁に漏れがないことを確認します。

必要があれば弁尖の形成を追加します。


ここで左ついで右の冠動脈入口部を人工血管に小穴をあけてそこへ縫い付けます。

冠動脈がねじれたり折れたりしないように工夫しています。

冠動脈入口部の吻合に漏れがないことを確認し、

人工血管を上行大動脈の遠位部と連結して操作は完成です。

PostopCT 術後経過は順調で、出血少なく、

心不全や不整脈もとくに無く、

術翌日には一般病棟へ戻られ、

心臓リハビリ(運動)ののち、術後 1週間あまりで元気に退院されました。

 

心臓手術からまる2年が経ちました。

お元気にしておられ、心臓も大動脈も安定しています。

 

今後も外来でフォローアップ・健康診断を行いつつ、

長期的な安全対策とくに脊椎の治療などを専門医と相談しながら検討しています。

大動脈の他の部位は現時点でまったくきれいなため、予防策もより効果が期待できます。

 

大動脈基部拡張症の患者さんとくにマルファン症候群や大動脈二尖弁の患者さんは

大動脈壁が構造的に弱いため、破裂や解離などへの注意や対策が必要です。

逆に、こうしたことを注意しておけば安全性は大きく高 PostopEchoLAx まります。

この患者さんの場合はデービッド手術によって妊娠出産の安全性が高くなり、

より安心した人生の設計が立てられるようになりました。


このデービッド手術は大動脈基部がもっと拡張し、

大動脈弁閉鎖不全症(つまり弁の逆流)が強くなってからでも可能な手術です。

しかし高度の逆流になってあまり弁が壊れてから形成するよりは

まだ比較的良い状態が保たれているうちに弁を守る手術をするほうが長期的に有利です。

そうしたことは患者さんやご家族の方々とのきめ細かい相談によって解決できるのです。

David & Bentallメモ: ベントール手術でも生体弁をもちいたものであれば、

このデービッド手術と同様のことができます。

ただしその場合、妊娠出産によって生体弁が急速に劣化し、

数年後に再手術となることもあり、

この点でデービッド手術は有利です。

自然の弁はカルシウムなどを自ら掃除するちからがあるからです。

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世界一の防潮堤

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  東日本大震災は津波や原子力発電所の事故も含めて筆舌に尽くしがたいほど大きな打撃を多くの人たちに与えました。被災者やその関係の皆様には心からお見舞い申し上げます。

釜石港の外側に世界最深、最大の防潮堤が築かれ、あのギネスブックにも登録され、多くの方々の期待をになっていたことはまだ記憶に新しいところです。まだわずか1年あまり前のIlm22_aa01060-sことでした。地震や津波で何度も涙を呑みながら、対策を練ってきた日本ならではの素晴らしい事業でした。

ところが想定外の超大型地震と津波によってその防潮堤はあっけなく突破され、大変な被害を出してしまったことを皆さんよくご存じのとおりです。その後の調査では防潮堤はよく頑張り、大津波の高さをある程度下げることはできたようですが、津波のあまりのパワーに土台を削られて倒壊してしまったそうです。海外の報道は「もっとも準備され、もっとも訓練された国を史上最大の地震と津波が襲ってしまった」と報じていました。その報道には平素の努力に対する敬意や、その努力をも上回る天災という不運を残念に思う気持ちが込められていたように感じました。

その後の報道によれば、この世界一の防潮堤があるため、心にわずかな油断が生じて避難が遅れたケースがあったといいます。
まさかこのような大津波が今来るとはだれも想像できなかったでしょうし、仮にそうした一瞬の油断があったとしても、何人もそれを批判することはできないと思います。
しかし結果は悲惨なものでした。これからは単に想定外だからとあきらめるのではなく、想定レベルや想定精度をさらに上げることも必要なのでしょう。

ひるがえって自分自身の問題・課題として考えてみれば、こうしたことはどの分野・領域でもあり得るものと思います。医療も同様でしょう。
これこれの病気や治療にはこうしておけば安全確保と考えて日頃から検討を重ねマニュアルを作っていても、新たな治療法や診断法、新たな概念が出てくれば、それまで鉄壁と思っていたような安全策も新たな状況に即応したものに改良していく必要があるように思います。

Ilm09_ag04005-s 心臓手術を例にとれば、技術・道具・材料や理論の進歩によってこれまで手術ができなかったようなケースもかなり安全に治せるようになりました。しかしそれによって、一層重症な、これまでは手が出せなかったような難しいケースにも治療ができるようになることで、これまで想定できなかった新たな合併症や問題が起こり得るのです。難しいケースから逃げる、つまりその患者さんを見捨てることで「医療安全」を得るという傾向が世の中に見られますが、そうではなく、難しい病気の患者さんを救命しつつ新たな問題をできる限り予防し、問題が多少でも起こればそれを早期の警戒とチーム検討によって解決することが大切と思います。これが真の医療安全につながると考えます。

問題とくに新たな問題はいつどこから来るかわからないという、慎重というより小心なほどの用心深さで日々治療を行い安全性の向上に努める必要がある、崩れてしまった世界一の防潮堤はそんなことをあらためて教えてくれたような気がします。

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事例:川崎病のあと、冠動脈瘤の患者さん

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PreopCAG1川崎病そのものは

ガンマグロブリン療法その他の治療法が確立したおかげで

患者さんたちは早期発見・早期治療を受ければ安全安心な生活を続けられるようになりました。

しかし冠動脈瘤をはじめ、冠動脈とくに内膜に傷がつくと長期的に注意が必要です。

 

   手術事例、患者さんは34歳男性です。

 

7歳のときに川崎病を患われましたが回復されました。

PreopMDCTその後、何度か心臓カテーテル検査を受け、冠動脈瘤を指摘され定期検診を受けていました。

 

このところ検診を受けずに元気に暮らしておられましたが、

1か月前に地下鉄の階段を上がるとき息苦しくなり近くの病院を受診されました。

そこで狭心症の疑いとなり当院へ紹介されました。

 

検査の結果、冠動脈瘤と冠動脈の狭窄が数か所見つかり(写真上左と上右)、

冠動脈瘤の部分を中心に石灰化も強いため、

カテーテル治療(PCI、ステント)よりも冠動脈バイパス手術が適しているという判断で手術となりました。

 

PostopCAG1手術は体外循環を使わないオフポンプ冠動脈バイパスを行いました。

 

   まず左内胸動脈を左前下降枝ついで対角枝に取り付け(術後写真左)、

さらに右内胸動脈を中間枝に(術後写真右)付けて完了しました。

 

良好な血流パタンと良好な心機能を手術中に確認して手術を終えました。

 

PostopCAG22枚の写真は術後1週間後の冠動脈造影のものです。

術後経過良好で外来フォローとなりました。

 

心臓手術からまる2年が経ちました。

お元気で定期健診のため外来へお越しになります。

術後2年の冠動脈CTでもバイパスグラフトはすべてきれいに開存していました。

 

川崎病の患者さんの冠動脈内膜は傷がついていることがよくあり、

こどもの間以上に大人になると注意が必要です。

普通の生活習慣病以上のスピードで動脈硬化が進む懸念があります。

しかしできるだけの予防、定期検診、早期発見によって安全を確保することはできるでしょう。

いざ冠動脈が危険レベルにまで狭くなった場合は、そのパタンにもよりますが、

冠動脈バイパス手術が役立つことが多々あります。

 

川崎病の患者さんの血管内膜は壊れていることがあり、そこでは動脈の硬化や狭窄が進みやすいのですそれは冠動脈の内膜は川崎病や瘤のために壊れていても、

内胸動脈の優れた内膜(強力な動脈硬化抑制作用があります)のおかげで冠動脈や心臓が守られるからです。

 

こどものころに川崎病の既往のある方、

とくに冠動脈瘤と言われたことがある方は川崎病を熟知した専門医にご相談下さい。

 

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事例 腹部大動脈瘤へのステントグラフト 2 ―楽に治せます

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腹部大動脈瘤の治療法としてステントグラフト(略称EVAR)が進歩しつつあります。

これまでの手術法もさらに磨きがかかり、

安全性と完成度、長持ち度が増し、皮膚も小さく切るだけになっていますが、

ステントグラフトも進化しています。

 

Preop 患者さんは55歳男性で腹部大動脈瘤が大きくなってきたため、

近くの開業医の先生からのご紹介でハートセンターへ来院されました。

 

拝見しますとこの半年間で直径が42mmから47mmまで大きくなり、

現在はとくに症状がなくてもこのままでは早晩破裂してしまう状況でした。

Postop

従来型の手術でも小さい皮膚切開で安全に治せるのですが、

この患者さんは以前に脳出血を起こされたこともあるとのことで、

できるだけ体への負担が少ない方法が良いという判断で、ステントグラフトで治療することにしました。

 

  右図のようにきれいにステントグラフトが腹部大動脈瘤を閉鎖し安定しました。

患者さんは翌日から普通に食事も再開され、まもなく元気に退院されました。

ステントグラフト手術から2年が経ち、CTにて瘤の消失が認められました。

大変良い経過です。

 

この所見であれば長期的な安定度もよさそうですが、

油断なく、定期健診で安全安心を確保していく予定です。

 

ステントグラフト(EVAR)は通常のリスクより長年月の安定度がまだ不明な面がありますが、

このようにリスクをもった患者さんに役立つ治療法です。

また長期の安定度も改善しつつあり、

今後の研究成果が期待されています。

 

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お便り39 右室二腔症を完治された患者さん―普通の健康生活へ

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Ilm17_da05004-s

 

右室二腔症は多くの場合心室中隔欠損症(VSD)をともなった先天性心疾患です。

名前のとおり右室の中ほどで右室の筋肉が異常に内側へ張出し、

右室が2つに分かれたような形となります。

 

右室二腔症の異常心筋の張出し部の前後での圧較差がそれほど高くない間はまだ安定感があるのですが、

年齢とともに張出しが強くなることが多く、

心臓が耐えられず危険なレベルに達します。

極端な場合は突然死などの恐れもでてきます。

 

図右室二腔症b下記の患者さんも右室二腔症の2つの右室の間の圧較差が極めて高くなり、

心不全症状の悪化とともに危険が迫る状態であったため手術を行いました。

異常心筋を注意深く徹底切除し、三尖弁の乳頭筋は温存しつつ、

2つの右室の間の圧較差がゼロになるところまでになりました。

心室中隔欠損症はパッチで閉鎖しました。

それらの心臓手術の結果、正常の心臓を取戻し、すっかり元気になられました。

 

右室二腔症の性質上、永い間、この病気と向き合い、悩んでこられたようで、

退院のとき、手を握って「第二の人生をありがとうございました」としみじみ言って下さったのが忘れられません。

 

手術から一年が経ち、すっかりお元気な生活や仕事を取り戻された患者さんから以下のお手紙が来ました。

淡々とした筆致のなかに、あの時の患者さんの決意と頑張りを私は感じました。

 

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拝啓

米田正始先生

昨年5月**日、右室流出路狭窄解除術及び、心室中隔欠損パッチ閉鎖手術を受けました**市の**です。

その節は先生はじめ皆様に大変お世話になり有難うございました。お陰さまで順調に回復し、新年を迎えることが出来ました。

手術前には長い坂道や階段を登る時など息切れがし、心臓に大きな負担がかかっていましたが今では見違えるほど楽に体が動かせるようになりました。仕事も術後3ヶ月弱で復帰することができました。日々健康の有難さを感じております。

思い起こせば、地元の病院(**病院)での検査で右室二腔症・心室中隔欠損症(VSD)の診断を受け、このままだと心臓の負担が大きく心不全等をおこす可能性があり、なるべく早い手術を勧められ、米田先生を紹介していただきました。

心臓外科手術ということで様々なリスクが思い巡り、地獄に突き落とされた思いでした。

しかし、名古屋ハートセンターのホームページ・米田先生のブログを拝見し、また手術説明を丁寧に解りやすく話していただいたお陰で、不安な気持ちもなくなり安心して手術を受けることができました。入院生活もスタッフの心遣いで快適に過ごすことが出来ました。

ご多忙のなか健康には十分留意してください。次回5月の診察にお会いできるのを楽しみにしています。(後略)

敬具

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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川崎病の成人期の冠動脈疾患について―これから要注意です。それは、、、【2020年最新版】

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最終更新日 2020年3月11日

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◾️川崎病とは

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川崎病はかつて赤ちゃんが発熱のあと原因不明の突然死をおこす恐ろしい病気として医学界でも大きな話題になりました。

 .

DrKawasaki 当時、川崎富作先生という小児科の名医が昼夜を問わず

患者さんの傍らで治療しながら症状や経過を詳細に観察されるなかから

この病気の存在と姿が次第に明らかとなりました。

患者さん本位の、臨床家ならではの研究でした。

.

その後詳細が解明され冠動脈がこぶのように拡張して瘤をつくり、血栓ができてその下流に心筋梗塞を作るのがわかりました。

その多大な功績のため、川崎先生に敬意を表してこの病気を川崎病と呼ぶようになりました。

日本人の名前が、世界で通用する病名としてついているのはいくつかありますが

(たとえばこの川崎病のほかに橋本病、高安病などなど)、誇らしく思います。

 .

私は数年前、世話人を務めさせていただいている近畿川崎病研究会で川崎先生とゆっくり歓談する機会をいただき、
その真摯かつ熱いご姿勢に感銘を受けたのを今も覚えています。

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◾️川崎病、現在は

 .

現在は診断法が進歩し、

かつガンマグロブリン療法そして抗血小板療法はじめ効果的な治療が確立し、

こども時代に命を落とすことは少なくなりました。

こどもでもときに冠動脈バイパス手術などが行われることがあり結果は良好です。

 .

しかし冠動脈が瘤破裂や心筋梗塞まで重症化しなくても

血管内膜細胞つまりこの動脈の内側の表面をおおう細胞が川崎病の感染や炎症でダメージを受けると、

長年月のうちにこの動脈が本来の機能を失い、

川崎病の既往のない方よりかなり高度な動脈硬化が起こることが心配されています。

 .

◾️川崎病、これからの課題

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動脈が油や血栓を掃除できなくなると動脈硬化が加速することがあります
動脈は単なる血液を流すチューブではなく、

油や血栓などをみずから掃除し、

小さい傷は修復する働きをもった立派な臓器なのです。

人体の中で最大の臓器と呼ぶ研究者もおられるほどです。

だからこそ血液という栄養つまり脂肪や糖分をたっぷり含み、

血球をたくさん載せたどろどろの液体が何十年も流れても

まずまずきれいな表面を維持できるのです。

 .

あのきれいでさらさらで透明な水道水でも

10-20年も流れれば水道管には水垢が貯まってさまざまな問題が起こることを思えば、

血液のようなどろどろの液体を何十年も流せる動脈はまさに驚異的な機能する管なのです。

 .

ところが川崎病で冠状動脈の内側表面の細胞つまり内膜細胞が傷つくと、

その掃除や修復が十分にはできなくなり冠動脈疾患が起こりやすくなるのです。

 .

いったん冠動脈疾患が発生したら、その硬化が高度なため、

その壊れたところを金属で押し広げて血液を流すステント(PCI)よりも、

動脈硬化に強い、血管年齢の若い、内胸動脈などをもちいる冠動脈バイパス手術のほうが

長持ちしやすいというのは理解できることです。

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◾️大人の川崎病の治療、ステントとバイパス手術

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ステントとくに抗がん剤を塗布した薬剤溶出性ステントでは

冠動脈の内膜機能を低下さ 図 CABG せることが知られています。

逆に冠動脈バイパス手術で使う内胸動脈は

NO(エヌオー、一酸化窒素)やプロスタグランディンなどの血栓や動脈硬化を抑えて血管を広げる作用のあるホルモン類を自ら作る、
高性能内膜を持っているのです。

ある意味冠状動脈よりもずっと若くて生きのよい血管といえましょう。

それを使うため冠動脈バイパス手術は冠動脈の悪い患者さんにはとくに威力を発揮するのです。

ちょうど重症糖尿病透析患者さんにたいするバイパス手術がステントより長期成績・生存率が良いように。

.

もちろんその患者さんの冠動脈病変の位置や数、つまり病変の進行度を多角的に検討し、

血管の内膜機能の低さもあわせて考え、

冠動脈バイパス手術が有利と判断できるときにバイパス手術を行うようにしています。(手術事例

 .

◾️元・川崎病の大人の方々に

.

小さいころに川崎病を患われた方、

とくに冠動脈瘤などを指摘されたり治療を受けられた方は、

成人されたあとも、定期健診を受けられることをお勧めします。

川崎病による内膜障害に成人期の動脈硬化が加わると、ダブル障害で病気が発生する心配があります。

専門医による定期健診で安全と安心が得られるでしょう。

最近のCT(MDCTと呼びます)で冠動脈はかなり詳細まで短時間で調べることができますし、

この動脈の一番根本の部分は心エコーでもある程度以上わかります。

それらで異常があればカテーテルを考慮し、

正確で安全な治療へと進むことができます。

MDCTで異常なければ、定期健診で行けるでしょう。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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【第二十七号】 地震お見舞いと新しい記事のご案内

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 【第二十七号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
編集・執筆:米田正始
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皆さんしばらくご無沙汰いたしておりました。

東日本大震災は今なお大変な状況で、私たちも病院や職場あるいは学会・地域単

位で、もちろん個人的にもさまざまな募金や支援活動のお手伝いをしてまいりま

した。

東北や北関東はもちろん、東京でも手術が思うようにできないという状況があり

、私たちも名古屋まで来れる患者さんの受け入れを行っています。本当に大変な

事態で、名古屋ハートセンターにも東北出身の職員がおられ、話を聴くにつけ、

もっと支援をしなければと思うこのごろです。

ここまでに、平素の医学医療的情報の記事(弁膜症・不整脈関係や心不全左室瘤、

日記ブログなど)をいくつもUpし、加えて肺塞栓症や地震被災者の方々への

医学情報の記事も地震直後からUpしています。

東日本以外の方々にも、今後のもしもの地震発生のときに少しでもお役立て頂け

れば幸いです。

これから快適な気候になります。皆様も適切な運動を楽しみながら健康増進に努

めて頂ければ幸いです。

平成23年4月17日

米田正始 拝

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