第59回日本心臓病学会の印象記

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59thJCCpresident 日本の臨床心臓病のトップの学会と言われる日本心臓病学会が

この9月23日から25日まで神戸で開催されました。

会長は川崎医科大学循環器科教授の吉田清先生(写真)で、

臨床や臨床研究にちからを入れて来られた吉田先生のスタンスがよく反映された、

患者さんのための心臓病学を意識した内容でした。

メインテーマ「臨床心臓病学を極める」は

まさに同先生のライフワークそのもので充実感あふれる学術集会になったと思います。

 

  私自身が直接関与させて頂いたセッションの印象記を以下にお書きします。

 

まずYIAつまり若い先生方の将来性ある研究のコンテストでは

臨床研究から基礎研究まで優れた、興味深い研究が多く、

予選の段階から優劣をつけるのが申し訳ない気持ちになるような力作ぞろいでした。

しかしコンテストですから客観的に点数をつけ、

4人の若手が最終選考に残られました。

心房細動に対するカテーテルアブレーション治療の新たな方法や、

iPS細胞から誘導した心筋細胞がQT延長症候群の治療に役立つことを示唆したもの、

あるいは周産期心筋症の発生と高血圧の関連を示した全国レベルの臨床研究、

そして薬剤溶出ステントの再狭窄の早期発見に血漿BNPが役立つことを示した研究などがあり、

いずれも優れた内容をもっていました。

最終的にアブレーションの研究が選ばれました。

どの方々にも益々の進展を期待したく思いました。

 

一日目午後のパネルディスカッション2「最新の弁膜症治療:外科治療からカテーテル治療まで」では

優れた演題に交じって私たちと川崎医大循環器内科の先生方(尾長谷先生、斉藤顕先生、吉田清先生ら)との共同研究も発表されました。

同科の尾長谷喜久子先生が機能性僧帽弁59thJCC閉鎖不全症に対する両弁尖形成法(Bileaflet Optimization法)を3次元エコーや手術ビデオを含めて発表され、

良い反響を戴きました。

 

このパネルディスカッションでは

産業医大の竹内正明先生が3D経食エコーの有用性を弁膜症からTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)への応用まで含めて講演されました。

心エコーもここまで進化したと感慨深いものがありました。

 

また鹿児島大学の窪田佳代子先生は

虚血性僧帽弁閉鎖不全症のテザリングとくに拡張期のそれが機能性僧帽弁狭窄を発生させることを示され、

同チームのこれまでのご研究をもとにして上記のBileaflet Optimizationを開発し

問題の解決に取り組んできた私たちにとっても貴重なご発表でした。

 

北海道大学の松居喜郎先生は虚血性MRに対する乳頭筋接合術や左室形成術の有効性を発表されました。

また乳頭筋の吊り上げに対しても必要に応じて使用しておられ、

同じ方向性で努力しておられることをうれしく思いました。

虚血性MRは弁膜症の顔をした左室の病気であるため、

私たちも賛同できることが多く、力を頂いたように思います。

 

榊原記念病院の加瀬川均先生は心膜で作成したステントレス弁の臨床試験例を報告されました。

私(米田正始)もこの僧帽弁ステントレス弁をトロント時代に研究していたため、

大変興味深く拝聴し、今後共同研究に参加させて頂くことになりそうです。

将来的には弁形成術とならぶ弁膜症手術の軸になるよう努めたいものです。

 

最後に大阪大学の倉谷徹先生がハイリスクの大動脈弁狭窄症に対するTAVIの臨床試験の結果を報告され、

今後有望な治療法であることを示されました。

 

このように弁膜症治療の新たな展開が見られるだけでなく、

内科と外科あるいは大学や病院が協力してより進化した弁膜症治療を求める素晴らしいパネルだったと思います。

 

その日の午後に教育講演として、私、米田正始が「虚血性僧帽弁閉鎖不全症」のお話をさせて頂きました。

広義の弁膜症のなかでもっとも複雑で不思議なこの病気を、

シルクロードで旅人を迷わせたロプノール湖にたとえてお話しさせていただきました。

そして1960年代のBurch先生の乳頭筋不全から始まり、

1980年代からは心エコーが病態解明に大きな貢献をし、

今日の進んだ僧帽弁形成術に至った経過をお話ししました。

さらに現在残された課題のひとつである後尖のテザリングに対して

私たちが川崎医大の先生方と共同開発した両弁尖形成術(Bileaflet Optimization)を解説し、

今後さらに進めていくべき方向性にまで言及させていただきました。

 

弁膜症といってもこの病気は心筋症・心不全という左心室の病気でもあり、

この解明と解決には内科、外科、はじめ集学的なチーム医療が必要であることもお話ししました。

 

講演のあと、多くの先生方から前向きのご質問やコメントをいただき、

そのあと別のところでも講演を聴かせてもらったよと激励のお言葉を頂戴し、

光栄に思った一日でした。

 

一日目夜の会長主催ディナーでは多くの先生方と懇談できうれしいことでした。

私のテーブルは外科の先生がほとんどで、仲間内で好きなことを雑談できました。

そのときにStanford大学のPeter Fitzgerald先生と久しぶりにお話することができ、

大学病院から民間専門病院へ移って具体的にどういう進展があったか質問いただき、

ここまで実現できたことをお話しし、喜んで頂けたのは光栄なことでした。

優れたエコーが外科医を育てることをお話ししますとガッツポーズを戴きました。

川崎医大の大倉先生と英語のきれいな女医さん(お名前わからずすみません)の軽快な司会が光っていました。

 

翌日の朝いちばんには若い先生方がこれから大きく展開されることを願ったキャリアパスのシンポジウムが行われ、

和歌山医大の赤坂教授と私、米田正始で座長をさせて頂きました。

鹿児島大学の尾辻豊先生、府中恵仁会病院の本江純子先生、スタンフォード大学の本多康浩先生、そして湘南鎌倉総合病院の斉藤滋先生という、

錚々たる、しかも多様な顔ぶれでした。

 

個々のの先生方はそれぞれユニークな道を歩んでこられたとも言えますが、

困難に直面しても夢を失わず、努力や工夫を重ねて問題を解決し、

人生を切り拓いていかれたことは見事に共通していました。

座長の特権でちょっとつまらぬコメントをさせて頂きました。

それは、私の研修医時代にある先輩から「どんなところでも育つひとは育つよ」という一言でした。

これは教える立場の人が言ってはいけないことと思いますが、

学ぶ立場の人にはぜひ知っておいて戴きたいことで、

このシンポジウムの4名の先生方はおそらくどんな環境でも展開されるだけの夢や情熱、信念を持っておられたからこそ今日の姿がある、

ということをお伝えしたくコメント致しました。

 

この学会ではその他にも多数の優れたセッションぞろいでした。

たとえばDES(薬剤溶出ステント)時代の冠動脈生理やアジアエコー、

冠動脈CT・MRI・RIのセッション、

大阪大学の小室一成先生と医仁会武田総合病院の河合忠一先生らによる循環器タイムトラベルフォーラム、

心房細動への最新アプローチ、

左主幹部病変に対する治療はPCIか外科治療かのセッション、

心臓移植の現状、

そしてもちろん吉田清先生の会長講演など山のような内容でした。

 

立派な機会を下さった吉田先生はじめ川崎医大の先生方と日本心臓病学会の先生方に厚く御礼申し上げます。

ありがとうございました。

2011年9月25日記

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
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第一回ハートバルブカンファランスの御礼

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昨日2011年9月17日に東京で第一回ハートバルブカンファランス(Heart Valve Conferenceつまり弁膜症の研究会です)

(代表:川副浩平・聖路加国際病院心臓センター長)

が盛会裏に行われました。

ご参加くださった多くの先生方や協賛のメーカーの方々に幹事のひとりとして御礼申し上げます。

(本記事はやや専門的で一般の方にはわかりにくいかと思います。

私たち弁膜症専門家の熱い空気だけ知って頂ければ幸甚です)

 

HVC2011 このハートバルブカンファランスは

川副先生が発起人となり、

内科・外科の弁膜症の実力派の先生方が集まり、

これまでの学会では十分できない患者目線の実際的議論と考察の場をつくるため、

できたものです。

 

幹事は外科系では榊原記念病院の加瀬川均、

日本医大の新田隆、慈恵医大の橋本和弘の諸先生

不肖私、米田正始

そして内科系では産業医大の尾辻豊、大阪大学の中谷敏の先生方です。

内科・外科の熱い論客ぞろいで、内容豊かな、

ただちに患者さんに役立つ情報交換が期待されていました。

第一回のカンファランスの内容を顧みますとその目的は十分に達成できたように思います。

(写真はプログラムの表紙です)

 

実際の症例をもとに十分な議論を尽くすというポリシーから

4症例をめぐって丸一日にぎやかに勉強しました。

前日の世話人会と打ち合わせ会のときからすでに熱い議論が多く、

本番の研究会でも予想どおりの力のはいりようでした。

 

まずmorning lectureとして中谷先生がとくに僧帽弁に力を入れて

 手術中経食エコーの方法から意義特徴までを講演されました。

座長の野村実先生(東京女子医大麻酔科)からしっかりとコメントを頂き、

神戸大学の大北裕先生と慶応大学の四津良平先生がコメントというよりミニレクチャーをされました。

大北先生は大動脈弁の解説を、

四津先生はポートアクセスミックス手術(MICS、小切開低侵襲手術)の観点からも解説されました。

経食エコーを誰がやるべきかというのは簡単なようでなかなか難しい問題で、

これも議論の的のひとつとなりました。

 

それからこのカンファランスの真骨頂であるCase Studyに移りました。

合計4例を4時間以上もかけてじっくりと議論しました。

新田先生がプレゼンされた拡張型心筋症+軽中度の大動脈弁狭窄症ASの症例はそのASの心負担の度合いの評価が難しく、

カンや経験で患者さんを治療せざるを得ない領域のひとつで、

今後さらに経験と研究を重ねる必要を感じました。

まずCRT両室ペーシングをしてどこまで心筋症の影響が大きいかを治療診断してから大動脈弁をどうするか考えるのが良いか、

その間にさらに心筋症が悪化することや手術リスクを考えて最初からCRTと大動脈弁置換を行うか、微妙でした。

しかし四津先生、新田先生、東京女子医大の谷本京美先生や天理よろづ相談所病院の泉千里先生はじめオーソリティの皆さんのお考えを聴けたことは収穫でした。

 

加瀬川先生が発表されたバーローBarlow病僧帽弁閉鎖不全症MRでは形成の方法が多数あり、

どの場合にどうするのが一番良いか、考えさせられる症例でした。

長崎大学の江石清行先生が余剰な組織を適切に切除して弁を整える心臓手術を供覧し、

Barlow病では上手にやるならばこれが理にかなっているように思えました。

またBarlow病で組織に変性を起こしているのが実感できました。

聖路加国際病院の新沼広幸先生がBarlow病を概説されまとまりました。

個人的にはBarlow病の弁形成では弁組織が余っているためなるべく悪い組織はきれいに取り、

かつ将来の再発の原因となる病変は軽いものでも是正するようにしているため

大いに参考になりました。

 

川副先生は非定型的なIHSS(HOCM)の手術例を供覧され面白いディスカッションになりました。

私も力を入れている病気のひとつであるため、

いろいろコメントをつけてしまい、あとで失礼を反省したほどです。

しかし難しい心臓手術を最終的にきれいに良い状態でまとめられたのはさすがと思いました。

榊原記念病院の高山守正先生と順天堂大学の大門雅夫先生のミニレクチャーでよくまとまりました。

 

香川大学の堀井泰浩先生はサルコイドーシス心筋症に合併する僧帽弁閉鎖不全症の一例を提示されました。

産業医大の竹内先生と私が座長をさせて頂きました。

これも非定型的症例で、左室形成術と僧帽弁輪形成術で治されたのは立派でした。

同時に私自身も10年ほど前に同様の手術を行い、

いったん元気になられたものの、

また弁の後尖のテント化が何年か後に起こり弁置換で元気になられたという、苦い経験から辛口の討論をしてしまい、

あとで要求しすぎと反省してしまいました。

しかしこうした経験を皆でシェアする中でより優れた手術法を開発して行った経過から、

将来お役に立つ討論と位置付けて頂ければうれしいことです。

大阪医大の寺崎文生先生のサルコイド心のレビューは豊富な経験にうらづけられた優れたものでした。

 

症例の検討の間をぬって、お昼時に大動脈弁狭窄症の治療の新しい方向性について3つの観点から発表と討論がなされました。

池上総合病院の坂田芳人先生はPTAVつまりカテーテルによる大動脈弁形成を、

大阪大学の倉谷徹先生はTAVIつまりカテーテルで植え込む生体弁の話を、

そして榊原記念病院の高梨秀一郎先生は外科的大動脈置換術AVRの有用性を講演されました。

神戸大学の大北裕先生が座長で進んでいきましたが、同先生が所要のため神戸へもどるべく早退され、私が座長を引き継ぐ形で議論させていただきました。

侵襲ではPTAV、TAVI、AVRの順番で優れており、

治療の完成度の高さではAVR、TAVI、PTAVの順と考えられましたが、

今後のTAVIの展開によって治療戦略にも変化があるものと思いました。

また誰がTAVIを行うか、内科医か外科医かという議論のなかで、

やはりハートチームが内科外科麻酔科コメディカルをすべて含んだ形で行うのがベストというのが大方のご意見で、正当なものと感じました。

さらに、TAVIを行うハイブリッド手術室については、

手術室でカテ操作を行うほうがカテ室で手術操作を行うよりも安全性で勝ることをお示しし、

大方の賛同を戴きました。

 

それやこれやで丸一日、よくこれほど勉強ばかりやれるものだと感心するような充実したハートバルブカンファランスを無事終えて、

懇親会で楽しい時間を皆さん過ごされたようです。

私は他の公用のため懇親会は残念ながら失礼しましたが。

 

これまでにない新機軸の、内容ある研究会を立ち上げられた川副先生に感謝しつつ、

来年の研究会をさらに内容充実した盛会としたいと感じました。皆様ご苦労様でした。

 

2011年9月18日記

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執筆:米田 正始
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心臓手術、より良い説明2 【2020年最新版】

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最終更新日 2020年3月4日

.

Q. 内科の先生から

「心臓病はあるが大したことはないのでもう病院へ来なくて良い」

と言われました。本当にそれで大丈夫なのでしょうか?→

 

Ilm17_bc01004-sA. 健診や人間ドックその他で心臓病大動脈の病気があるかもということで、

内科の外来を受診し、

そこで「大したことはないのでもう病院へ来なくて良いです」と言われ、

そのときに「でももし苦しくなったらおいで」と言われた患者さんが世の中には少なからずおられます。

 

その後体の調子が悪くなったり、

他の病院の内科をも受診してやはり心配になって

心臓手術の相談もあって

私の外来へ来られた患者さんたちです。

 

Ilm17_bc01015-sこれらの患者さんたちの共通点は症状が無いか軽い方々で、

とりあえず元気に見えるかた、

そして多くは弁膜症大動脈瘤です。

弁膜症の中でも逆流が起こるタイプが多いです。

 

病気がごく軽ければ定期健診する必要はないこともありますが、

たとえば逆流が中等度に達していたり、

心臓がすでにある程度以上大きくなっているケースなどでは定期健診が必須です。

これはガイドラインにも明記されていることで、

専門家の間では常識です。

もちろんこれは患者さんの安全や利益を考えてのことです。

 

専門がちがうと適切な意見がもらえないこともあります

ではなぜ冒頭のように

「大したことはないからもう来なくて良い」

という先生がおられるのでしょうか。

それは多くの場合、

弁膜症や大動脈瘤あるいは心臓手術の詳細をご存じないか、関心がないからです。

前者の場合は、循環器をあまりご存じない先生のパタンですが、

その場合はふつうは専門家に紹介されるため問題はありません。

 

Ilm09_ad09004-s 後者の場合、つまり関心がないというのは、

他の領域の専門家で、

それ以外の病気を診るのは時間の無駄と考えてしまうケースです。

でももしそのままにしておいて急に悪くなって命を落とすなどがあっては訴えられて困るため、

「苦しくなったらおいで」

という逃げ道を準備しているわけです。

 

弁膜症や大動脈瘤のように、

当初はあまり症状がでない病気の患者さんは、

なにかおかしいと感じられたら複数の医師や病院での意見を求められることが安全安心につながります。

とくに内科と外科の両方で意見を聴くと、心臓手術の詳細をふくめてさまざまな側面が見えて理解が深まるでしょう。

 

実際、症状がないと思っても、

患者さんの生活の知恵で、無理をせず、

あまり体を動かしていないというケースもよく見られます。

つまり普通の生活ができないほどの症状がすでにあるわけです。

 175873316

そこをきちんと見抜き、患者さんになるほどと言って頂けるご説明をし、

そして定期健診に納得していただき、

それをきちんと行ってこそ専門医です。

患者さんが健診や心臓手術をいやだと言ったから

それ以上は何も勧めなかったなどという医師が時に見られますが、

これは説明義務を果たしていないという意味で違反行為です。

 

ただ上述のように、専門医といっても弁膜症には弁膜症の専門医が必要ですし、

狭心症には狭心症の専門医が必要です。

心臓手術の説明にはそれを熟知した医師が必要です。

しかしそこまで患者さんにわかりやすい態勢にはなっていないのが、

日本の医療の現状です。

 

Ilm18_aa05005-sそこでこうした症状が出にくい病気の患者さんやご家族におかれましては

セカンドオピニオンなどの形で良いですから、

複数の専門家の意見を聴くのが安全なわけです。

最近はネットの情報でもある程度はわかります。

 

こうして良い医療をつくるのは医師だけではなく、

患者さんやご家族を含めた社会全体の協力であることを知って頂ければ幸いです。

 

さらに付け加えれば、次のタイプの医師は要注意です。

 

1.「素人はだまってなさい」という医師。

これは素人である患者さんを納得させA311_019られない証拠です。

ご自分の不勉強を患者さんのせいにしているともいえます

 

2.「セカンドオピニオンをもらってきていいですか」と聞くと怒る医師。

これはご自分のやっている治療に自信がない証拠です。

 

やはり医療は医療者と患者さんおよびその周囲の方々全体の協力が必要なのです。

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◆参考ページ

心臓手術とはどういうもの?

そのこれからの方向

心臓外科の名医とは

さあ手術と言われたら?!

安全に必要な症例数は?

病院の立派さと心臓外科の立派さは別?

対象となる病気は?

医師の選び方

私のお勧めは?

術後の社会復帰について 

美容について

必要な検査

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心臓手術のより良い説明1

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◾️内科の先生から突然、手術を勧められました、、、

.

Q9. 内科の先生から心臓手術が必要になりそうな話を聞きました。cst077-s

突然そういわれても困りますし、

なっとく行くだけの十分な説明が受けられませんでした。

→→→

A9: 心臓手術が必要かも知れないと外来で検査のあと突然言われて

びっくりし戸惑う患者さんが少なくありません。

 .

とくに症状が強くない病気たとえば大動脈瘤僧帽弁閉鎖不全症の一部、

あるいは大動脈弁閉鎖不全症の一部では

左心室や大動脈がかなり危険な状態になっていても、

患者さん自身が感じる症状、いわゆる自覚症状は軽いことが少なくありません。

 .

そうした状況で、外来の先生(通常は内科)に心臓手術のcock01話を持ちかけられても

目が点になるような状況、

「えっ?なんで私が?手術?」状態になるのはよく理解できることです。

 .

◾️その心は、、

.

内科の先生は内科が専門ですから、

手術の詳細まではわからないこともよくあります。

現代は医学医療も細分化され、

循環器内科の先生といえどもあらゆる心臓手術を熟知しておられないことはあります。

.

循環器内科の先生でも、aki_0088

たとえば冠動脈(狭心症など)の専門家は弁膜症にあまり関心がない、

などのケースは耳にします。

.

また研究畑を歩んでこられた先生の中には、実際の患者さんを治したり長期間安全を確保するなどの作業はまったくできないケースもあります。

.

それは悪い意味ではなく、

それほどそれぞれの分野に打ち込んでおられるとも言え、

そこで餅は餅屋、チーム医療の大切さが再認識されるわけです。

 .

◾️そこで手術の説明は外科医からも

Ilm17_ca07020-s

.

心臓手術が必要かも知れないと言われたとき、

熟練の心臓外科医に一度話を聴くことはそういう意味で大切です。

内科と外科の両方から話を聴くことで、

より多角的な情報が得られ、

矛盾点があると感じたらどんどん質問すれば良いのです。

その質問にきちんと答えられないようなら

さらに他の医師の意見を求めると良いでしょう。

 .

 

実際、内科と外科の両方の意見を聴くのは

冠動脈の治療では欧米ではgum13_sy04020-s常識というより義務付けられる方向にあるほどです。いわゆるハートチームですね。

.

チームの合意を得てはじめて立派な治療ができるという考え方です。

.

私たち心臓外科医冠動脈弁膜症大動脈心筋症・心不全先天性心疾患、など守備範囲が広いため、

それぞれのブレーンを院内外、国内外にもち、

おたがい切磋琢磨しながら常にベストを目指して協力体制で臨んでいます。

.


◆患者さんの想い出:

195736151Aさんが心臓手術をもとめて私の外来へ来られたのはもう10年以上前のことです。それまでは心臓手術のことは考えておられなかったようです。

 

慢性腎不全で血液透析中の、狭心症でした。

冠動脈はぼろぼろに壊れていました。カテーテル治療PCIでは限界と言われての来院でした。

 

しかしバイパス手術なら良質の血管を使って再建するため行ける!と確信したためオペに踏み切りました。

 

術後経過は順調で心機能は改善し、透析も楽にこA303_047なせるようになり元気に退院して行かれました。

 

その後は個人的にもお付き合いができちょくちょくお店へ行って美味しいお茶を戴いて、そのままでは無銭飲食のようで気が引けるため、健康相談などしてから帰宅したものです。

 

私が京大病院で重症への心臓手術ばかりして一部のひとたちの不興を買ってトラブったときも、Aさんはテレビカメラの前で堂々と論陣を張って私を弁護して下さいました。

 

その後、下肢の血管が悪くなり、当時勤務していた豊橋ハートセンターに来院いただき、血管を治すお世話もさせて頂きました。

203651752

 

最後はがんが見つかり、そのために次第に体力が落ち、近くの病院で静かに息を引き取られました。

 

最後まで心臓だけは元気で、いのちを支えてくれたと主治医の先生が仰って下さったのが救いでした。

 

心臓手術を介しての出会いでしたがそれ以上の絆があったと思います。Aさんのことをいつまでも忘れることなく日々精進したく思います。

 

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お便り44: 大動脈二尖弁と上行大動脈の手術を受けた患者さん

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先天性心疾患は生まれた時からの心臓病です。

そのため身体の負担はもとより、

こころの負担が患者さんご本人だけでなくご両親たちにも重くかかってしまいます。

 

Hana_16 ご本人にとっては、ある日心臓が悪いと言われたとき、

なぜ何も悪いことをしていないぼくがこんな目に合わなければならないの?と思うでしょうし、

ご両親にとっては、私たちはこんな病気を創ってしまった、こどもに申し訳ない、どうしよう、

という苦悩に襲われるのです。

 

私たちができること、それは

できるだけ安全性を高めて

できるだけ良い手術をして心臓病を治すこと、

そしてなるべく心の負担を軽くするお手伝いをすることです。

以下のお手紙は大動脈二尖弁による大動脈弁狭窄閉鎖不全症のため

遠方から名古屋ハートセンターまで来て心臓手術を受け、

元気になって下さった患者さんとそのお母様からのお便りです。

ドットハート001154m初対面の時から、

正直に何でも打ち明けて下さった患者さんの男らしい姿勢に私は勇気づけられ、

力が入ったのを覚えています。

こころが通じていると実感したわけです。

またそれまでの苦しい経過の中で

命をかけてでも無輸血で治療を受けてお母さんを喜ばせてあげようという気持ちを戴き、

絶対無輸血という決意で手術をさせて頂きました。

大動脈二尖弁の患者さんは上行大動脈が弱く、

この患者さんの場合もすでに瘤になり始めていたため

併せて治すことができました。

彼にとってできるだけのことをしたく思ったのです。

以下はその患者さんとお母様からのお便りです。

**********患者さんからのお便り***********

私は、生後すぐに心臓病らしいと告知されたそうです。

お便り44実物 両親は私の成長するにしたがい、心臓病で有名な病院へ、つれて行き診察してもらいました。

ところが、現在とは違い当時、病名も判らず両親は、とても心配したそうです

その後、「大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症」と診断され医師から「35歳くらいで、階段の昇り降りも負担になる。人工弁を入れる手術が必要。」と聞かされましたが、ちょうどその頃、私は中学生で「そのうち心臓は止まり死ぬ。」と考え、つよくない体を、飲酒、喫煙や人に言えないような事を行ない、非行を繰り返す毎日でした。

そして、自業自得とはいえ、この時期から動悸、息切れ不整脈の症状が頻繁に、あらわれ、とうとう2009年5月に、重度の心不全、呼吸不全で14日間、生死をさまよう事となったのです。

救命医療で担当して下さった医師の治療のおかげで、なんとか一命は救われましたが、人工弁を入れる手術をしたわけではなく、真剣に手術について考える必要に迫られるのです。

まず、かかりつけの医師に「あと3年くらいしか心臓がもたない事、はやく手術すれば心機能の回復も見込まれる。」と説諭されましたので、地域の大学病院へ行きました。

それから心臓血管外科の医師から、初めて具体的に手術について説明をうけたのですが、あらたに、「上行大動脈瘤」がある事も聞かされました。

問題はそれだけでは、ありません、この手術には、絶対に輸血が必要との事でした。

私は、まだちがうのですが、母親はエホバの証人です。これまで私は社会や両親、とりわけ医療関係者、また神様にたいしても、ふざけた態度ですべてにそむいて来たので、ひとつだけでも、従いたいので輸血はしないと決めていたからです。

なんとか無輸血で、手術が出来ないものかと、困り果てたころに、WEBサイトを介し米田正始医師に、たどり着いたのです。

こんな私を米田先生は、なんの偏見も無く「手術は無輸血でします。これを機会に生まれ変わればいい。」と、やさしくおっしゃってくれましたので、私は安心し、すべてを頼る事にしたのです。

そのような訳で7日間の準備入院、そして8日目、手術が無事終わり数時間後には、歩くことも出来ました。そして10日後に退院して現在は、走る事も出来るのです。

最近、友人に手術痕を見せた時に「本当に心臓の手術したのか?」と言われ、みても分からないほど、手術あとも、とってもきれいです。

これまでは「ガタガタ」うるさく、気だるく、おもかった心臓が、術後は、心臓そのもの、存在すら感じられない不思議な、感覚、すごくかるい感じを私は、うまく文字や言葉では表現できません。

米田先生、治療していただいた事、本当にありがとうございました。

2011/1/17

**********お母さんからのお便り**********

お便り44実物2 2009年12月に、39才になったばかりの長男は、手術室に入っていました。

時間が止まってしまった様な長く感じられる日でした。

米田先生から手術がうまくいったと告げられた私は、まだ目ざめていない子に顔を見た時、安堵感と、よろこびで胸がいっぱいになり、「よかったね。手術はうまくいったのよ。もう大丈夫だからね。」と声をかけていました。

私が、どれほど、うれしくて、心から先生が他とチームワークをくんで、一丸となって長男のために全力をあげて、手術にとりくんでくださった若い先生方と、スタッフの方に、心を込めてありがとうございましたと伝えたくて。この胸中をわかっていただけるでしょうか。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

1970年12月に生まれた長男は、生後一か月検診で、医師から信じられない言葉を聞かされました。

今でも、昨日のように思い出します。「赤ちゃんは、心臓の雑音がひどいので検査をするように。」

私の耳に入ったこの言葉は、ショックで、どうしていいのかわからなくなってしまいました。私も、若いママになれたよろこびで、足取りも軽く病院へ行ったのに、帰り道は、とても不安な思いを抱く悲しい気持ちで帰宅し、誰にも言えずに、一人ぼっちで育児に専念することになりました。

初孫を、とてもよろこんでいた四人の若い祖父母には、心配をかけたくないので、言えなかったのです。

外見からは、チアノーゼもなく、よく食べ、よく眠ってくれて、泣いてぐずることもほとんどなく、楽に育てられたのですが、悲しい思いをしたのは、予防接種の度に、心雑音と告げるだけで、すぐにパスされて、冷たくされた思いでした。私の不安は、この先どうなるのか、つのるばかりでした。

心臓病に詳しいと聞くと、どこへでも行って診てもらいましたが、東京の**大学の先生には、「赤ちゃんの時は、わかりにくいのですよ。」と言われるばかりでした。

でも本人は、親の心配も知らずに、丸々と太って、病院にかかることもなく、風邪などの熱には要注意と言われていたのに、四十度近い熱でも、とても元気で、すぐに治るし、心臓が悪いなんて信じられないくらいだったのです。

小学校に入学する前に、6才になったら、入院して、カテーテル検査をするようにと予約をして、受けましたが、その時は、心室や心房の壁に穴もなくて、原因はわからなかったのです。

そして、中学生になった時、学校側の要望により、***病院で受診しました。当時は、日本一と知られた病院でした。そこで、やっと病名がわかりました。大動脈の弁が狭いそうでした。

でも本人は至って、普通の子と変わらず、元気そうでしたが、病名を告げる事によって、学校側は責任上の理由で、ドクターストップがかかりました。

大好きなスポーツも制限されてしまって、自分の思うようにならなくなったので、ずい分、ヤケになりました。

それまで、明るくて活発な性格だったのに、心がすさんでゆき、悪い傾向のまま走り出してゆくようになり、悪い仲間と連れ立つようになり、愛情を示そうと努力する家族に背を向けてしまって、私の手から離れようとばかりして、心痛の元となりました。今でもあの頃を思い出すと、目に涙があふれてきます。

不安と悲しみ、親であるがゆえの惨めさ、恥辱の伴う苦しい時期だったのです

成長に伴い、身体が大きくなると、心臓も負担がかかってくるようになり、悪い生活習慣のため、発作も度々で救急のお世話にもなるようになり、もう年令は、38才になっていました。

病院へ行くと医師からは、早く手術をした方が良いと何度も告げられましたが、私自身が様々な思いがあって、決心がつかないのでしたが、ある時かかりつけの先生から「お母さん、そろそろ手術を考える時ですよ、このままでは死んでしまいますよ。」と告げられて、病院を探すことになりました。

大学病院では無輸血の手術は無理ですと断られて、困っていたところに、米田先生との出会いがあったのです。

先生は、とても優しく、ひろい心で、相談にのってくださり、先生の最高レベルの医術を駆使して、さまざまな工夫をこらし、出血も最小限にと全力を尽くして取りくんでくださったおかげで、もう限界だった心臓を治してくださった事、もう一度生きてゆく機会を与えられたので、大変な思いをして、これまで生きてくることができたのだからこれからは、もっと、もっと、自分の体を大切にして、命を尊重して生きて欲しいと心から願っています。

米田先生、先生の優しさと、勇気と、すばらしい医術に感謝を込めて、ペンを止めます。

本当にありがとうございました。

***の母**より。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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ミックスによる僧帽弁置換術――やさしい手術へ 【2020年最新版】

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MICS3

最終更新日 2020年2月27日

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◾️ミックス(MICS)による僧帽弁置換術とは?

ミックスつまり骨を切らず傷跡も目立たない方法で、患者さんご自身の僧帽弁を切り取り、人工弁に取り替える手術です。以下、もう少し詳しく解説します。

.

ミックス(MICS、その代表格がポートアクセスです)

つまり小切開低侵襲手術による心臓手術

徐々に進化をしています。

 

この流れは私たちの経験では僧帽弁形成術でまず実現し、

 多くの患者さんたちの術後の苦痛を軽減し、

また早い回復と社会復帰をもたらし、

さらには外から見えにくい創から心の負担も少なくなるというおまけまでつき、喜ばれています。

そうした経験から僧帽弁置換術にもミックス手術を行うようになりました。

.

◾️その実際は?

上の図の左は通常の胸骨正中切開のときの創部、右はミックス(ポートアクセス法)での創部です。

MICS1c もともと僧帽弁置換術が僧帽弁手術の定番でしたので、

経験豊かなチームならミックスでもより簡単にオペができるわけです。

左の写真はミックス(ポートアクセス)による僧帽弁置換術後1か月の創部です。

創そのものが小さいのですが乳腺に隠れてほとんど見えません。

 .

患者さんの長期の寿 A302_096命や負担を考え、

弁形成で行ける場合は極力そのようにしていますが、

弁の破壊が高度であったり、患者さんがご高齢の場合は、

人工弁(この場合はブタやウシから造られた生体弁)が長持ちする上にワーファリンも不要なため、

前向きに人工弁を使うことがあります。

そうした際にもミックスによる僧帽弁置換術は患者さんの役に立ち、喜ばれています。

  183521318.

その際には肋間神経ブロックを併せ行うため術後の痛みも軽くなります。

ブロックの効果は数週間程度なので、

痛みが消える時期に神経も正常の状態にもどります。

 .

◾️ミックスに不適な場合は?

ただしこのミックスは動脈硬化の強い患者さんにはやや使いづらいため、

今後さらに改良を加えてそうした方にも恩恵が届くよう努力しています。

また当面の方法として、胸骨正中切開をしながらも、

小さい皮膚切開を行うというタイプのミックス手術(MICS)も適宜使っています。

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患者さんの想い出はこちら:

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参考ページのIndex:

MICS(ミックス手術)とは 

  とくにポートアクセス手術とは
  
  その位置づけ
  
  それ前向きに安全な場合
  
  美しいLSH法とは
  
  かかる費用は?

  ハートポートとは
  
  危険なの
  
  術後の痛み軽減について
  
  社会復帰が早いわけは?
  
  美容について
  
  胸骨「下部」部分切開法とは
  
ビデオ ポートアクセス法による僧帽弁形成術
  
ビデオ 連合弁膜症のご高齢患者さんへのミックス法・3弁手術
  
僧帽弁

  ミックスによる弁形成 

  同、メイズ手術

  ポートアクセスによる弁形成術

 

患者さんやご家族からのお便り

お便り43 がんの手術後に心臓腫瘍がみつかった患者さん

お便り46 遠方からご自分の信念で来院下さった患者さん

お便り48: ミックス手術ですみやかに社会復帰された患者さん

お便り54: ポートアクセス法で弁形成を受けた若者患者さん

お便り59: 被災地支援へ!同法の弁形成術を受けられた患者さん

お便り62: ミックスの弁形成と冠動脈バイパス手術を受けた患者さん

お便り63: ポートアクセスの複雑僧帽弁形成術を受けられた患者さん

お便り65: 同法による弁形成術で元気になられた患者さん

お便り68: 同法の弁形成を受けたバーロー症候群患者さん

お便り73: リウマチ性連合弁膜症と心房細動をミックスで克服

お便り74: ポートアクセス法で弁形成とメイズ手術を受けた患者さん

 

 

 

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お便り43 がんの手術後に心臓腫瘍がみつかった患者さん

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心臓腫瘍はまれな病気ではありますが、

突然患者さんを襲ってくる、無視できない病気です。

 というのは心臓腫瘍のタイプによっては悪性度が高く、そのままでは転移したり、

全身を壊すことがあるからです。

悪性でなくても、心臓腫瘍がちぎれて血流に乗って脳へ流れて行けば、

脳梗塞になってしまいます。

 いずれの場合もすみやかに治療することが勧められています。

治療は手術が基本です。

 

Ilm10_dh03003-s 心臓腫瘍の多くは粘液腫というゼリー状のもろい状態の腫瘍です。

しかし中には悪性腫瘍や、その他の腫瘍もあり、

もともとまれな病気のためかなりの経験量をもつ心臓外科医でないと初めてとかそれに近い心臓手術となり、

少しでも教科書からはずれた所見があると困ってしまいます。

以下は心臓腫瘍がたまたま発見され、

希望して名古屋ハートセンターへ来られた患者さんからのお手紙です。

その少し前に乳がんが見つかり、手術や薬の治療を受けられたところでした。

不運が相次ぐ形となり、患者さんにはまことにお気の毒でしたが、

前向きに頑張って下さり、

また私たちもこれで不運は打ち止めにしていただこうという意気込みで一緒に頑張りました。

 

Ilm09_ag04009-s手術では普通の左房粘液腫とは違う、

僧帽弁輪から発生し、左房壁の中にうずもれた、

どちらかと言えば悪性度が高い形でしたが、

悪性腫瘍の可能性を考えてそれらを二方向から徹底切除し、完全切除できました。

それを弁形成の経験を活かして再建しました。

顕微鏡で調べて頂いた結果、良性の左房粘液腫でしたが、

粘液腫と言えども、不完全切除すると後で再発することが報告されているため、良かったと思います。

MiniSkinI手術はミックス手術(MICS)法に準じた形で小さな皮膚切開で行い、

比較的お若いご年齢の女性の心の負担をなるべく軽くするように努めました。

患者さんも喜んで下さり、努力の甲斐があったとチーム全員うれしく思いました。

 

私たちはがん治療の専門家ではありませんが、

がんの先生方と力を合わせて心臓病の視点から今後も治療支援をしていく予定です。

 

なおお便り11も粘液腫の患者さんからのものです。ご参考に。

 
*************************

米田正始先生

先週7月1日に無事退院することができました。

 
先生に一言ご挨拶をと思いましたが、ご不在とのことでしたので、お礼も申し上げず失礼いたしました。
この度は私の左房内の腫瘍をきれいに切除していただき大変ありがとうございました。

思えば1月に「乳がん」の告知を受け、胸を切り取られてからのこの半年はつらい日々でした。それでも現実をしっかり受け止め、前向きに治療に取り組んでいた私に、次に告げられた病名が「左房粘液腫」でした。

正直なところ「目の前が真っ暗」というよりは、「今度は何?」という気持ちでした。でも偶然にもハートセンターさんと米田先生のことを知ることができ、あの日思い切って先生にメールでご相談してつくづく良かったと思っております。

先生の手術のおかげで心臓も元気になり、手術の傷跡も小さく外見からはほとんど気にならない程度で、大変ありがたく感謝しております。

2週間の入院中はとても苦しい時期もありましたが、深谷先生、北村先生、小山先生にはとても優しく丁寧に診ていただきました。また看護師さんやヘルパーさんの方々にも親身にお世話していただき、みなさんのおかげで退院できるまでになれたと思います。どうもありがとうございました。

今日はいただいた診療情報提供書を持って**病院に行ってまいりました。中断していたハーセプチンの投与は再開しましたが、放射線治療についてはとりあえず傷が治るまで延期ということになりました。

ハートセンターさんを退院する時は「これで私も健康になれた!」と一瞬うれしく思えましたが、実際は私の場合単に「乳がん治療ができる体になった」というだけのことで、病気との闘いはこれからもまだまだ続きます。

でも必ず元気で健康な体を取り戻すべく、気持ちを強く持ってこれからもがんばっていこうと思います。
私に元気な心臓と明日への希望を与えてくださいました先生に、心より感謝しております。
本当にありがとうございました。

暑さきびしき折、先生もどうかお体ご自愛ください。

 

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お便り42 大動脈二尖弁に弁形成術を受けられた若者のご家族から

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大動脈二尖弁そのものは必ずしも病気とは限らないのですが、

弁が壊れやすく、年齢とともに弁膜症が発生します。

 

二尖弁は先天性心疾患のなかに入るため、若い患者さんが多いです。

そのためおなじ心臓手術といっても、人工弁を使う弁置換手術よりも

患者さんの弁を修復して活用する弁形成術が患者さんを助けます。

 

Ilm10_df01004-s というのは若い年齢たとえば20代や30代では人工弁不利だからです。

つまり機械弁を使えば、

弁自体の耐久性は100年ほどもありますが、

一生涯ワーファリンを服用する必要があり、

そのために毎月病院通いし薬を調整して行くことが求められます。

きちんと調整していても、ときたま、脳出血や脳梗塞が起こります。

これはワーファリンというお薬の宿命的な弱点なのです。

かといって生体弁はこの若い年齢では早く壊れやすいのです。

しかし弁形成ならばそうした問題は少ないです。

また弁があまり壊れていないときには、手術がきれいに決まれば長持ちしやすいのです。

そこで私たちは大動脈弁形成術に力を入れています。

以下のお便りは大動脈二尖弁の若者のお母さんからのメールです。

近くの病院では人工弁による弁置換しかないと言われ、

ネットで勉強して九州から私のいる名古屋ハートセンターまで来て下さいました。

手術は大動脈二尖弁が狭くなりかつ逆流(閉鎖不全症)も起こすという、

形成しづらいタイプでしたが、さまざまな工夫ののち大動脈弁形成術は無事成功し、

狭窄も逆流もほぼ取れました。

二枚の弁のかみ合わせも良いため、今後長持ちする期待ができます。

 

仕事熱心で前向きな患者さんですので、一層うれしく思っています

**************************

米田正始先生

Sun, 7 Aug 2011 02:15:38 +0900 (JST)

お世話になっております。
私、6月初旬に手術をして頂いた**の母です。

お便り42実物 今回、先生に感謝の気持ちを伝えたくメールをさせて頂きました。
ご挨拶が遅くなりまして申し訳ありません。

先生に出会うまで、手術方法について非常に悩んでまいりましたが、先生に弁形成の手術をして頂けるという希望を頂き、本当に救われました。

そしてその通りの手術をして頂きまして本当に心からの御礼を申し上げます。

手術を終え、息子はまだ沢山の機械が繋がれておりましたがこれでもう大丈夫、と安心致しました。息子に少しでも早く伝えたくて《手術成功したよ、弁形成して頂いたよ》と紙に書いて見せました。それを見て息子が少し頷いた時のこと、忘れません。

今、息子は元気に会社へ行っております。先日も家族で旅行へ楽しく行ってきました。

これから息子には楽しい人生が待っていると思います。
今までずっといろんな方々に見守られ、支えられてきました。そして先生に出会えて夢のような手術をして頂き、本当にありがとうございました。
息子の幸せは家族みんなの幸せであり、大変嬉しく喜んでおります。

くれぐれも先生もお身体にお気をつけ下さい。そしてこれからも私たちのような患者、家族を少しでも多く救ってあげてください。

米田先生、先生方、スタッフの方々、この場をお借りして心からの御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

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ミックスによる大動脈弁形成術―多くの患者さんのお役に立つでしょう 【2020年最新版】

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最終更新日 2020年2月15日

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◼️ミックスによる大動脈弁形成術とは?

大動脈弁を修復しきちんと開閉するようにするのが大動脈弁形成術ですが、これを小さい傷跡で行うのがミックスMICSの大動脈弁形成術です。

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■まず大動脈弁形成術の進歩

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弁形成術僧帽弁形成術をスタート点として進歩しましたが、

近年は一部の施設で大動脈弁でも形成の努力がされています。

 .

AVrepair comm plication大動脈弁形成術は、

大動脈弁の構造がもともと弁尖のかみ合わせが少なく、

糸で吊り上げる構造もなく、

僧帽弁よりも手技が難しいことは広く知られていました。

.

そこでかつては大動脈弁形成術と言えば比較的シンプルなこどもの心室中隔欠損症という病気にともなう弁の下垂に対する弁形成術や、

弁輪拡張タイプのケースに対する弁輪形成術、

あるいは弁のヒンジ部の大動脈拡張に対するサイズ合わせが主でした。

上図にその一例を示します。

Bicuspic AV.

■二尖弁での弁形成

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その後、二尖弁が構造が簡単なため、

形成もやりやすいということが知られるようになり、様々な大動脈弁形成術が開発されました。

交連部つまり弁のヒンジの部分で形成するトラスラーTrusler先生の方法や、

弁の中央部で形成するコスグルーブCosgrove先生の方法などが代表的です。

その後Shaefers先生らの方法が効果を上げ、effective height(弁尖の有効高)を確保するために、VAJ(弁輪下部)やSTJ(弁輪上部)のサイズ調整をするようになりました。

 .

176578913また二尖弁は先天性つまり生まれつきの病気のため、

手術を受ける患者さんも10代ー30代の若い方が多く、

弁形成のメリットが一層大きく、

やりがいがあるという事情も大動脈弁形成術を後押ししたかも知れません。

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何しろ長い間、ワーファリン無しで普通の元気な生活が確保しやすい弁形成術ですから、

他の方法、たとえば生体弁置換術や機械弁置換術よりも安全上も生活の質QOLでも有利です。

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■MICSの導入、まず正中MICSで

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MICS-AVRorAVP それらと平行してミックス(小切開低侵襲心臓手術、代表格がポートアクセス)は大動脈弁手術にもおよび、

私たちは安全優先の観点からあまりその導入に積極的ではありませんでしたが、

ミックス手術と大動脈弁形成術の経験が増えるにつれ、

これらを同時に安全にやるケースがあっても良いのではないかと考えるようになりました。

患者さんのQOL(生活の質)や満足度が格段に高くなるからです。

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CIMG2044b大動脈弁形成術のミックスでは右側の胸を小さく切る方法(上図の真ん中、ポートアクセス手術)と、

胸の中央部で骨をL字型に切る方法(図の右端)などがあり、

私たちはその患者さんの状況にぴったり合ったものを選ぶようにしていました。

 .

左の写真は大動脈弁形成術後、1か月の創部です。

上図の右端のミックスを行いました。

複雑な弁形成術になる場合でも安全性を確保できるよう、こうした方法を適宜もちいます。

.

その後、創をよりお腹側へずらして行う胸骨下部部分切開によるミックスで、さらに痛みの軽減、回復の促進、そしてより美しい仕上がりを図るようになりました。

 .

これまでの胸骨正中切開(図の左端)でのメリットつまり視野の良さや安全性をそのまま維持し、

しかしミックス手術によって術後の苦痛を減らし、早い回復と早い社会復帰を促進しています。

患者さんがお若いかたが多いため、

仕事に早く復帰することの意味が大きく、

新しいポートアクセス法ミックス(MICS)による大動脈弁形成術はよろこばれています。MicsAVRb

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■ポートアクセスMICSの展開

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この3-4年はそれらのノウハウの蓄積をもとに、ポートアクセス法MICSによる腋窩下アプ ローチ(Subaxillary Approach)で骨を切らない、創もちいさく目立たない、痛みも少ない大動脈弁形成術を多用するようになりました

.

(写真右、創は大胸筋の後ろ側に隠れています)。

.

この方法には熟練が必要ですが、経験豊かなチームなら術後の経過もよく、創のきれいさと見えにくさが際立っています。

働き盛りの方々には早い仕事復帰を、若い方々には早期の学校生活や体育授業への復帰とこころの傷を小さくすることがメリットとなるでしょう。

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今後、さらに経験の蓄積によって、

一層患者さんのニーズに合った心臓手術を展開させていくつもりです。

参考:いい心臓・いい人生 【第九十三号】カナダでも頑張りました(大動脈弁形成術サミット

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A301_100メモ: 高齢者の患者さんから大動脈弁形成術を依頼されることがあります。

もちろん弁が形成に適する状態であればときには形成術を考慮する場合もあります。

しかし通常はご高齢の方には生体弁を使用し、余裕ができたエネルギーをミックスに使うことが多いです。

というのは高齢者とくに70歳以上の場合は生体弁が長持ちしやすく、20年ちかく持つという報告もあります。

それならば弁形成より短時間で完了できる生体弁が有利なことも多いわけです。

すべて治療法はその患者さんにとってオーダーメイド的に一番良いものを選ぶあるいは組み立てるのが正解と考えています。

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◾️患者さんの想い出1はこちら:

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MICS(ミックス手術)とは 

とくにポートアクセスとは
同法の位置づけ
同法が前向きに安全な場合
美しいLSH法とは?  かかる費用は?
ハートポートとは

  ミックスは危険なの
術後の痛み軽減について 社会復帰が早いわけは?  美容について
胸骨「下部」部分切開法とは
  
ビデオ 連合弁膜症のご高齢患者さんへのミックス法・3弁手術
  
大動脈弁

  ミックスによる弁置換術

  同、デービッド手術

  ポートアクセス法による弁置換

患者さんやご家族からのお便り

お便り46 遠方からご自分の信念で来院下さった患者さん

お便り48: ミックスですみやかに社会復帰された患者さん

お便り50: 大動脈二尖弁と上行大動脈瘤の患者さん

お便り61: ミックスのデービッド手術のため三重県からお越し下さった患者さん

お便り66: バルサルバ洞破裂と心室中隔欠損症などを克服した患者さん

お便り70: 自己心膜で大動脈弁形成術(再建術)をミックス法で受けた患者さん

お便り71: 同法で大動脈二尖弁形成を受けた15歳の患者さん

お便り72: 二弁置換とメイズ手術を同法で受けた患者さん

お便り73: リウマチ性連合弁膜症と心房細動をミックス法手術で克服

お便り78: ベントール手術をミックスで受けられた患者さん

 

 

 

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ミックス(MICS)による心房中隔欠損症の手術―より早く社会復帰を 【2019年最新版】

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最終更新日 2019年1月5日

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◾️ミックスによる心房中隔欠損症(略称ASD)の手術とは?

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心房中隔欠損症を閉鎖する時に、骨も切らず、小さい目立たない傷で行う、そういう手術を指します。

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心房中隔欠損症(略称ASD)は以前から右開胸による、創の目立ちにくい手術が行われて来ました(下図の真ん中)。

一般の心臓手術に使う胸骨正中切開(下図の左端)は手技もやりやすく、

複雑な病変にも臨機応変に対応しやすく、使い道はあるのですが、

心房中隔欠損症 (ASD)を治すだけのために胸骨を切ると、

治るまでに2-3か月かかるため、もう少し小さな負担でできないかと考えられてきました。

 .

MICS_ASD

◾️ミックスの心房中隔欠損症の手術の特長は?

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ミックス(MICS、小切開低侵襲手術、代表例がポートアクセス)は

従来の右開胸による心房中隔欠損症の手術をさらに進化させました(左図の右端)。

一部の施設ではより小さな皮膚の創で、しかし上行大動脈を遮断することで従来よりも優れた心筋保護法で手術ができるようになりました。

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心房中隔欠損症ではアンプラッツカテーテルによる治療法があり、

これでうまく穴が閉じられる場合は良いのですが、

しばしばこの治療法ではうまく行かないことがあります。中には死亡例の報告さえ見られます。

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IMG_0172ASD2IMG_0171ASD2

そんなとき、ミックスによる心房中隔欠損症閉鎖術は

患者さんの苦痛や負担が少なく、

早い社会復帰、仕事復帰が図れるため、

そして結果的に創が外から見えにくく、

きれいな仕上がりになるため喜ばれています。

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費用もこれまでの心臓手術と同様、追加出費はゼロで、医療費のほとんどが保険から出されます。

この点で高額な自己負担が必要なダビンチ・ロボット手術よりも有利です。患者さんの声ブログ記事を参照ください。

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◾️ミックスの実際は?

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上の写真は心房中隔欠損症と慢性心房細動に対して

心房中隔パッチ閉鎖術と両心房メイズ手術をミックスで行った患者さんの、術後6か月のものです。

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  右の写真は別の患者さんです。2012-09-10b

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この患者さんはLSH法への移行期の時期の方で、サテライト創が少なくなって来ています。

傷跡は時間とともにさらに薄く見えにくくなって行きます。

 .

 

三尖弁2またこのLSH法でのMICSなら

私たちが長年ちからを入れて来たメイズ手術心房細動を治せます)や

三尖弁形成術三尖弁閉鎖不全症を合併したケースに)なども

同時に比較的短時間でできます。

 .

心房中隔欠損症の患Biyou_0023者さんにはお若い方も多いため、

ミックス手術(MICS)とくにポートアクセスでの上記の特長が一層お役に立っているようです。

こうした治療のラインナップができると、

患者さんにとって一番適切な、極力負担の小さな手術や治療が得られることになり、

大変良いことと思います。

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Cgre027-sメモ: ミックスとくにポートアクセスでの心房中隔欠損症の根治術にはどのくらい費用がかかるのでしょうかと聞かれることがあります。

そのお答えは、通常の心臓手術と同様で、患者さんの自己負担は約7万5千円プラス食費などの雑費で、あとは保険から高額医療費として出されます。

患者さんの自己負担額として県や収入にもよりますが、およそ15万円前後です。

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ミックスではロボット手術とくらべて追加の自己負担がなく、しかし出来上がりの美しさに大差がない、というよりむしろサテライト創が少ないため有利です。

 .

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